2019年8月23日(現地時間)、アマゾン(Amazon)のクラウドサービス、アマゾン・ウェブ・サービス(Amazon Web Services=AWS)で発生している障害が、一部の仮想通貨取引所のサービスに影響を与えている。
仮想通貨取引所バイナンス(Binance)のCEO、ジャオ・チャンポン(Zhao Changpeng)氏のツイートによると、同取引所では国際的に問題が発生している。
現在、AWSの主にキャッシングサービスで障害が発生しており、世界中でユーザーの一部が影響を受けている。AWSと協力して、状況を注意深く監視している。
複数のインターナルサーバーエラーが引き起こされており、出金処理の一部にも影響が出ている。
仮想通貨取引所クーコイン(KuCoin)も、東京のAWSを利用したサービスで障害が発生している、と述べている。
同社はウェブサイトで次のように述べた。
「東京のAWSに配備しているマシーンルームにあるシャーシの一部にオーバーヒートがあり、弊社の一部のサービスがご利用いただけなくなる可能性があります。エンジニアリング業務担当チームが現在、発生する可能性のある緊急事態に対応するために、地域全体で可用性が高い関連リソースを配備しています。配備の際に、一部のサービスが影響を受ける可能性があります」
仮想通貨投資企業、プリミティブ・ベンチャーズ(Primitive Ventures)の創業パートナー、ダビー・ワン(Dovey Wan)氏は、多くのアジアの取引所が影響を受けており、AWSの問題によって不安定な市場データが生まれている、とツイッターに投稿した。
「多くのアジアの取引所で、価格の不安定さが見られます(そして、取引の実行は可能でした。指値注文を出していれば、ビットコインを非常に安く買うことができます)」とダビー氏は述べている。
さらに同氏は、仮想通貨取引所ビットマックス(BitMax)の公式テレグラム(Telegram)チャンネルに顧客が投稿した、不特定の仮想通貨取引所のオーダーブックデータと見られるスクリーンショットも投稿した。そのデータは、とある投資家がテザーのステーブルコイン、USDTで、45ビットコイン(BTC)を1ドル(約106円)未満で購入することができたことを示唆している。CoinDeskの価格インデックスによると、記事執筆時点でビットコインの価格は、約1万190ドル(約109万円)である。
その後ビットマックスはテレグラムのチャンネルにおいて、出金を中止していると発表したが、上記の価格データがビットマックスのものかは定かではない。問題のスクリーンショットは他の取引所のデータではないかと示唆する情報筋もある。
AWSの状況ページは、東京の施設に問題があることを示していた。同社は根本的な原因を突き止めたとし、状況は通常の状態に回復し始めている、と述べている。
CoinDeskは、ビットコインが1ドル未満で購入可能であったという報告の確認を現在行なっている。
翻訳:山口晶子
編集:町田優太
写真:AWS image via Shutterstock
原文:Amazon Cloud Outage Causing Major Issues at Some Crypto Exchanges
(編集部より:サーバーエラーに関する記述を訂正し、記事を更新しました)