ブラジルの投資銀行、ドルペッグのステーブルコインを独自に発行

ラテンアメリカ最大の投資銀行の1つであるBTGパクチュアル(BTG Pactual)は、同社の暗号資産(仮想通貨)プラットフォームの「Mynt」を通じて、米ドルにペッグされたステーブルコインを発行した。

BTGパクチュアルは4月4日の発表で、このステーブルコイン「BTG Dol」は世界初の銀行が発行するドルに連動したステーブルコインだと述べている。

ブラジルのサンパウロを拠点とするこの銀行は、顧客が「シンプルで効率的かつ安全な方法で、株式の一部をドル化する」ことを可能にするとしている。

BTG Dolは、2021年に展開した同行の暗号資産アプリのMyntで100レアル(約20ドル)から購入可能だ。Myntは2021年にリリースされ、現在22の仮想通貨に対応している。

ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などの仮想通貨とは異なり、ステーブルコインは法定通貨(通常は米ドル)のような伝統的な金融資産にペッグされている。このため、投資家やトレーダーは、ほとんどの仮想通貨につきもののボラティリティにさらされることなく、暗号資産のエコシステムに資金を維持することができる。

CoinMarketCapのデータによると、ステーブルコインの時価総額は約1330億ドル(約17兆5000億円)で、24時間の取引高は約390億ドル(約5兆1300億円)だ。

テザー(USDT)やUSDコイン(USDC)といった最大手のステーブルコインは民間企業によって発行されているため、特に昨年のアルゴリズム型ステーブルコイン、テラUSD(UST)の破綻以来、規制当局の監視の目が厳しくなっている。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:Brazilian Investment Bank BTG Pactual Brings Out Dollar-Backed Stablecoin