ビットコイン(BTC)は3万ドルを超えた。2022年6月10日以来のことで、銀行をめぐる混乱が収まり、米連邦準備制度理事会(FRB)の政策に対する楽観が広がった。
ビットコインは当記事執筆時点に3万237ドル、24時間で6.75%上昇した。
「経済成長の鈍化、つまりはFRBの金融政策の緩和を市場が織り込んでいることは明らか」「その証拠は、債券市場を見ればわかる」とBanxaの米国担当CEO兼最高法務責任者リチャード・マイコ(Richard Mico)氏は述べた。
債券市場を見ると、トレーダーがFRBによる利上げの予想を急速に覆したため、米国2年債は3月上旬の5%を超える水準から4%以下に下落している。
「その結果として、市場に多くの流動性が注入される可能性が高い」「すでにビットコインは2023年のベストパフォーマンス資産となっている。ビットコインは通常、この種のシフトに最も早く、激しく反応する資産だ」とマイコ氏。
ビットコインは2022年6月10日に3万ドルを超えた後、2022年の終わりから2023年のはじめにかけて2万ドル以下で推移。この3週間ほどは2万8000ドル付近で推移していた。年初は約1万6600ドル付近でスタートした後、約80%上昇している。
「紛れもなく、ビットコインは株式からデカップリングし、個人投資家と機関投資家にとって、安全資産としての魅力が高まっている」とCoinDesk宛ての文書で述べたのは証券のトークン化を手がけるSologenicの共同創業者ボブ・ラス(Bob Ras)氏。
「2020年から2021年はビットコインのブレイクスルーの瞬間と認識されていたが、現在は素晴らしい資産としてグローバルな舞台に登場したことを真に示している」(ラス氏)
前述のマイコ氏は「脱ドル化もストーリーの一部となりつつあり、ビットコインの普及をさらに加速させている」「ビットコインを使えば、つまり自分自身が銀行になる。最近のボラティリティを考えると予測は難しいが、ビットコインに関する今回の勢いが続いても不思議ではない」と付け加えた。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin Breaks Above $30K for First Time Since June 2022