イーサリアムブロックチェーンは4月12日に大型アップグレード「シャンハイ(別名、シャペラ)」を完了させた後、相当数のバリデーターがステーキングされたイーサリアム(ETH)のアンステークをリクエストしたため、現状、引き出しは2週間待ちとなっている。
ネットワークエクスプローラーのRatedによると、シャンハイ完了後の数時間で引き出しを待つバリデーター数は、全数引き出しが約1万7000、一部引き出しが2万8500にのぼったという。数字は確定したものではなく、ブロックチェーン分析企業のナンセン(Nansen)は、全数引き出しが約2万2000と推定している。一方、MetrikaのEthereum Foundationによるダッシュボードでは約1万7000となっている。
ナンセンによると、バリデーター総数は約56万7000なので、全数引き出しを待つバリデーターはわずか4%に過ぎない。
全数引き出しとは、当初、バリデーターがプルーフ・オブ・ステーク(PoS)ネットワークに参加するために必要とされた32ETH(約6万4000ドル、約850万円)の引き出しを望むことを言う。
またRatedによると、イーサリアムブロックチェーンはそのキャパシティの55.4%を使って引き出しを処理しているようだ。
クラーケンが引き出しの80%
現状の2週間という引き出し待ち期間は、シャンハイ前の複数のアナリスト予測(数時間〜数日)よりもかなり長くなっている。
またデータを見ると、暗号資産取引所クラーケン(Kraken)に関連したバリデーターが引き出し待ちの約80%を占めている。クラーケンは2月、米証券取引委員会(SEC)との和解条件としてアメリカでのステーキングサービスを停止することに合意していたため、こうした動きが予想されていた。
引き出しが進む一方で、ナンセンによると、新たに預け入れられたETHは増え始めており、ステーカーが引き続き、イーサリアムブロックチェーンの維持に参加したいと考えていることを示している。
とはいえ、現状では引き出しが預け入れを上回っている。ビーコンチェーンは当記事執筆時点、24時間で引き出しが預け入れを7万9488ETH上回った。
ETHは大幅上昇
13日午後には、ステーキングされたETHの約12.6%を保有する暗号資産取引所コインベース(Coinbase)での引き出し受付も始まる。シャンハイ後の動向については、さらにデータが集まってくるだろう。
イーサリアム開発者たちは、13日にシャンハイについて報告会を行った。
「皆さん、シャペラの作業、お疲れ様でした! うまくいきました!」とイーサリアム財団のティム・ベイコ(Tim Beiko)氏は述べた。
「ネットワークは正常に移行しました。2、3の小さな問題が見受けられましたが、全体的には非常にスムーズだったと思います! 皆さん、お疲れ様でした!」
ETHは日本時間14日13時45分頃、約2116ドル付近、24時間で約10.5%の大幅な上昇となっている。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Nansen
|原文:Ethereum Unstaking Requests Pile Up After Shanghai Upgrade, Now at 2-Week Wait