イーサリアム・スケーリング・ブロックチェーンの「zkSync Era」は、投資家が新進のネットワーク上に構築された新しいプロジェクトへ期待していることから、リリース後、約3週間で2億4500万ドル(約325億円)以上を集めた。
イーサリアム・ブロックチェーン上に構築されたレイヤー2ネットワークの活動を追跡するL2Beatのデータによると、ネットワークが最初に稼働した3月下旬以降、7万以上のイーサリアム(ETH)、8100万ドル(約108億円)分のUSDコイン(USDC)、800万ドル(約10億6000万円)分のMUTEがzkSyncにロックされている。
ロックされた価値の総額(Total Value Locked:TVL)は、エコシステム・トークンの購入やネットワーク上の取引所への流動性提供のために、複数のzkSync ベースのプロジェクトに分配される。
DefiLlamaのデータによると、zkSyncベースのサービスの中では、分散型取引所(DEX)のSyncSwapが6400万ドル(約85億円)を超えるTVLでリードしている。次いでVelocoreが2500万ドル(約33億円)、Muteが1500万ドル(約20億円)となっている。
ユーザーは、これらのプラットフォームで流動性を提供したり、取引を実行したりすることで年率80%までの報酬を得ることができ、これがzkSyncへの資金流入を促し、MuteのネイティブトークンであるMUTEの価値を高めている。
オンチェーンのデリバティブ取引は、今のところユーザーの間に浸透していないことが、データからうかがえる。zkSyncベースのデリバティブDEX、Onchain Tradeには、200万ドル(約2億6500万円)強のTVLがあり、過去24時間では先物の出来高はゼロだった。しかし、スポット取引は60万ドル(約8000万円)の出来高を記録している。
一方、人気トークンであるドージコイン(DOGE)や柴犬コイン(SHIB)などのミームコインは、DEXToolsのデータによると、価格が急上昇した後に下落するサイクルを繰り返している。
zkSync Eraではこれまでに700万件以上のトランザクションが処理されており、このネットワークは1秒間に3.5件のトランザクションを処理することができることが示された。
zkSyncの名前は、ゼロ知識証明として知られる暗号技術に基づくブロックチェーンのスケーリングシステム「ZKロールアップ」に由来する。その機能は、ブロックチェーンのトランザクションを高速化し、ネットワーク活動のコストを削減するための重要な進歩であると考えられている。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:CoinDesk
|原文:Ethereum Layer 2 Network zkSync Era Jumps to Nearly $250M in Locked Value