イーサリアムの引き出し待ち、約17日に延びる──ステーキングETHは増加

行列は長くなっている──ブロックチェーン分析企業ナンセン(Nansen)によると、先週の「シャンハイ」アップグレード後に引き出し要求を行ったバリデーターは、ステーキングされたイーサリアム(ETH)の引き出しに17日以上待たなければならない。先週末は、14日前後だった。

現状、アンステーキング・リクエスト待ち、つまり引き出し待ちのバリデーターは2万8436にのぼる。

イーサリアムブロックチェーンのバリデーターは57万5359(ナンセン調べ)、つまり約5%のバリデーターがステーキングプロセスからの離脱を望んでいることになる。

Nansen

だが、離脱までには複数のプロセスを通過しなければならない。

ナンセンのアナリスト、ニクラス・ポーク(Niklas Polk)氏によると、バリデータはまず、離脱のためのメッセージを送信する。ここで25分待たされる。次にバリデーターは離脱待ちの行列に加わる。現在11.7日待ちだ。行列を抜けると、出金プロセスだが約27時間遅延している。そして、さらに4.25日後に実際に出金処理が行われ、入金される。

一方、部分引き出しは約4.27日しかかからない。部分引き出しとは、バリデーターがステーキングしている報酬の一部のみを引き出し、バリデートプロセスに参加するためにステーキングしたETHをそのままにしておくことを言う。

ETHステーキングは依然人気

「シャンハイ」以降、ステーキングを解除し、引き出されたETHは100万ETH以上にのぼる。ナンセンによると、米証券取引委員会(SEC)との和解条件としてステーキング・サービスの停止を余儀なくされた暗号資産取引所クラーケン(Kraken)が現状、引き出し待ち行列の約43%を占めているという。

一方、過去24時間でみると、引き出しリクエストを上回るETHが預け入れられており、ステーキングETHは8万6000ETH、約0.3%増加した。投資家はイーサリアムブロックチェーンのステーキング・プロセスに信頼を寄せているようだ。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Nansen
|原文:Ethereum Unstaking Requests Now Face About a 17-Day Wait