ビットコイン(BTC)は19日早朝に下落し、まず3日間で2度目の3万ドル割れ、その数時間後には1週間以上ぶりに2万9000ドル割れとなった。当記事執筆時点では2万8930ドル付近、24時間で約4.6%下落。消費者物価指数の緩やかな上昇と投資家の楽観が後押しした先週の動きから一転した。
投資家のムードは19日、イギリスの厳しいインフレデータとバイナンス(Binance)での大量の売り注文の後に悪化した。
「イギリスの厳しいCPIレポートは、市場をより脆弱にし、大口セラーが引き金を引くためのマクロ経済データになったかもしれない。それが売り注文の連鎖を招き、3万ドルを割った」とオンラインブローカーForex.comのリサーチ・グローバルヘッド、マット・ウェラー(Matt Weller)氏はCoinDesk TVで語った。
イーサリアム(ETH)もBTCと同様の値動きとなり、約7.1%下落の1945ドル付近。18日には2100ドルを突破していた。
レイヤー1トークンのアプトス(APT)と、レイヤー2トークンのアービトラム(ARB)は、それぞれ約10%、約13%下落した。暗号資産市場全体のパフォーマンスを示すCoinDesk Market Index(CMI)は6.2%下落。
株式市場は2日連続でほぼ横ばい。ナスダック0.03%上昇したが、S&P500は0.01%下落した。投資家は、金融サービス業界の第1四半期決算が予想以上に好調だったことに注目している。だが多くの地方銀行の決算はこれから。銀行セクターの健全性について、さらに明確になるだろう。
位置情報に基づくデータを収集・認証するオラクル・ネットワークであるXYO Networkの共同創業者マーカス・レヴィン(Markus Levin)氏は「今、市場には特にマクロ経済状況について、きわめて大きな不安がある」と指摘。
「イギリスの予想を上回るインフレ数値は、アメリカおよび金融政策の引き締めで景気後退懸念が高まっている国の双方で見過ごせないようだ」「こうしたマクロ経済懸念がついにビットコインに及んだように思える」
同氏はさらにこの数週間のビットコインの力強い上昇に触れ、「調整があっても驚かない。暗号資産市場は常に価格変動の影響を受けやすいので、何もパニックの原因にはならないはずだ」と続けた。
価格
●ビットコイン:28,936ドル、-4.6%
●イーサリアム:1,948ドル、-7.1%
●コインデスク・マーケット・インデックス(CMI):1,250、-5.6%
●S&P500:4,154.52、-0.0%
●ゴールド:2,007ドル、-0.0%
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
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