「Real World Asset(RWA:実世界の資産、現実資産)」のトークン化は目新しいことではない。だが、テクノロジーとインフラが追いついたことで、資産運用会社や機関投資家にとって十分なレベルで大規模に行えるようになった──。
当初、大企業が使用を避けたクラウドコンピューティングが今ではCIAのような組織でも当たり前になっているように、現実資産はいずれプライベートチェーンでトークン化され、次にパーミッションドチェーン、最終的にはパブリックチェーンでトークン化されるだろうとセキュリタイズ(Securitize)のカルロス・ドミンゴ(Carlos Domingo)CEOは述べた。
「企業はより前向きになっている」「プライベートブロックチェーンはOKだが、問題の一部しか解決しない」(ドミンゴCEO)
トークン化とは、貴金属などの有形資産の所有権をブロックチェーン上に置くこと。従来のブローカーを介さない取引を実現し、24時間いつでも売買できる利便性を提供する。
アポロ・グローバル・マネジメント(Apollo Global Management)のデジタルアセット部門責任者クリスティン・モイ(Christine Moy)氏は、トークン化は「価値の移転方法を変える」もので、技術的ギャップが解消された今だからこそ可能になったと続けた。
「トークン化のコンセプトは新しいものではなく、以前にも注目を集めた」とアバランチ・ラボ(Avalanche Labs)の機関投資家向け事業開発ディレクター、モーガン・クルペツキー(Morgan Krupetsky)氏は語り、RWAのトークン化というアイデアは2017年に登場し、長い道のりを経て、機関投資家や投資家に浸透してきたことに触れた。
同氏はさらに、金利上昇もこの技術をメインストリームに普及させる必要性を後押ししていると語り、金利上昇が暗号資産価格への圧力となり、チェーン上の新しいプロダクトへの需要を生み出していると述べた。今我々は、顧客が(RWAの)トークン化を求めざるを得ない時期にいると同氏は続けた。
セキュリタイズのドミンゴ氏は、もしトークン化がステージ上のパネリストたちが期待するようなポジティブな市場評価を得ることができれば、それは暗号資産の次の章を意味することになるだろうと述べた。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Consensus 2023/CoinDesk
|原文:Tokenization of Real-World Assets ‘Changes How Value Is Transferred’