Web3は終わっていないが、マスへの普及のためには大改造が必要と、セールスフォース(Salesforce)のイノベーション責任者マーク・マシュー(Marc Mathieu)氏は述べた。
暗号資産市場の低迷が始まった後、かつてメタ(旧フェイスブック)やエヌビディア(Nvidia)のようなテクノロジー大手が推進してきたメタバース、さらにはweb3というコンセプトに対して、インターネット上には数え切れないほどの積極的な意見が溢れている。
web3開発に携わる人たちが、分散化を柱としたコミュニティ形成と、最終的に新たな体験に参加することになる若い世代にとって重要となる価値に注力できれば、web3は復活する可能性があるとマシュー氏は語った。
「人々のための、人々による、インターネットの分散化……、これは、web3の再起動に必要な重要な要素の1つだ」「web3は復活する。単なる技術ではなく、新しい世代の価値観に対応したものだからだ」
web3の価値は一般的には、分散化、透明性、自己主権の推進と理解されている。しかし、マシュー氏によると、これらの価値観だけでは「次のインターネット」と呼ばれるweb3のマスへの普及の原動力にはならないという。
web3は、次世代のインターネットユーザーのニーズに応えるビジネスモデルも導入しなければならない。マシュー氏は、1000曲をポケットに入れることを実現したiPodの画期的な登場に触れながら、web3にはまだキラーアプリが欠けていると指摘した。
「iPodは大きな技術革新ではなかった。だがユーザーインターフェースとビジネスモデルの革新であり、コミュニケーションの革新でもあった」「iPodは、モバイルとウェブテクノロジーが欠かせない毎日を生み出した。私たちにはそれがまだ欠けている」
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Consensus 2023/CoinDesk
|原文:Salesforce Exec: Web3 Needs a ‘Reboot’