USDC、3月の銀行危機で強さを増した:サークルCEO【Consensus 2023】

ステーブルコインのUSDコイン(USDC)は3月の銀行危機から、強く、安全に脱出したと発行元であるCircle Internet Financialのジェレミー・アレール(Jeremy Allaire)CEOは26日に述べた。

暗号資産業界で資金を移動させるための重要な手段となっているUSDCは、準備金をシリコンバレー銀行に預けていたため、3月中旬に同行が破綻した影響を受けて一時的にドルペッグを失った。ドルベッグはすぐに回復したものの、この出来事は投資家を怯えさせ、USDCから大規模な資金が流出することになった。

「我々はこの危機を成功裏に乗り切った。USDCを支える市場インフラを実際にアップグレードし、今日のインターネット上で最も強力、安全なデジタルドルとなった。そこに疑問の余地はない」とアレールCEOは断言、USDCと他の「よく知らない選択肢」との間に一線を画した。

同氏が暗黙のうちに指摘したのは、テザー(USDT)だ。USDTは、銀行との関係や準備金に対する不安が指摘されているにもかかわらず、長くステーブルコイン市場をリードしている。

アレールCEOは自信を示したが、市場の反応は異なるようだ。ブロックチェーン分析企業のナンセン(Nansen)によると、3月の銀行危機以降、USDCの時価総額は390億ドルから290億ドルに減少。一方、USDTはシェアを伸ばしている。

アレールCEOは、USDCをもっと安全なものにする必要があり、それは連邦レベルでの法整備があってこそ実現できると述べた。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Consensus 2023/CoinDesk
|原文:USDC Stablecoin Strengthened by U.S. Banking Crisis in March, Circle CEO Says