初期のクジラ、突然活動を再開/ゲンスラーSEC委員長、暗号資産業界を批判する動画【4/22~4/28のトップニュース】

数年間動きがなかった大量のビットコインを保有するウォレットが突然動きを取り戻した。その理由について、クリプトツイッターで議論が巻き起こっている──今週のトップニュースをダイジェストで振り返ります。

ビットコインのドミナンスが抵抗線に遭遇──アルトコインのブーム再来か

TradingViewのデータによると、ビットコインのドミナンスは第1四半期の42%から48%に上昇したが、今月に入ってからはそのレベルを超えるのに苦労している。

この指標はほぼ2年間、38%から48%の間で変動しており、46〜48%から下落するときはアルトコインの大幅な上昇と一致している。

イーサリアム、「シャンハイ」後の上昇分を失う──ビットコインも下落

イーサリアムは21日午後、CoinDeskのデータによると4月9日以来の安値となる1833ドルまで下落した。大型アップグレード「シャンハイ」が先週、問題なく実行されことを好感した上昇分をすべて失ったことになる。

機関投資家、ETHステーキングへの関心高める──「シャンハイ」後、流入増加

機関投資家向けイーサリアムステーキングサービスプロバイダーは4月、すでに前月に比べて約3倍の流入を記録したとイーサリアム開発企業コンセンシス(ConsenSys)のアナリスト、ミヒエル・ミラノビッチ(Michiel Milanovic)氏はCoinDeskに語った。流入の約80%は4月12日のシャンハイ後のものという。

ビットコイン、米ドルの流動性低下と債務上限問題の再来で5カ月ぶりの大幅下落

債券利回りが上昇し、米ドルの流動性が低下したため、4月17日から23日の1週間で、ビットコインは大きな売り圧力に直面した。

TradingViewと米CoinDeskのデータによると、時価総額でトップの暗号資産(仮想通貨)は9%下落して2万7600ドルになり、11月初旬以来、単週で最大の下落率を記録した。米国債10年物の利回りは0.6%上昇して3.58%となり、2週連続で上昇し、暗号資産などのリスク資産の魅力に水を差した。

ジンバブエ中銀、ゴールドを裏付けとしたデジタル通貨を導入:報道

ジンバブエ共和国の中央銀行のジンバブエ準備銀行(RBZ)は、同国の通貨であるジンバブエ・ドルの安定化を図るため、ゴールドを裏付けとしたデジタル通貨を法定通貨として導入する予定だとサンデーメール(The Sunday Mail)が23日報じた。

暗号資産ファンド、5週ぶりの純流出

暗号資産(仮想通貨)ファンドは、コインシェアーズ(CoinShares)が24日発表したレポートによると、先週は5週ぶりに純流出となった。

流出が始まったのは4月14日、ビットコインが約1年ぶりに3万ドルに達した時期と重なり、利益確定の動きを示しているという。

イーサリアム、週のステーキング預け入れが過去最高を記録──シャンハイで流動性リスクが軽減

イーサリアムブロックチェーンの大型アップグレード「シャンハイ」によって先週、イーサリアムのステーキングのための預け入れは記録的な流入を記録。主に機関投資家向けステーキングサービスプロバイダーと引き出し後に獲得した報酬を再投資する投資家が流入を牽引したと暗号資産アナリストは述べた。

ポリゴン、カルダノ、ソラナのNFT取引高が増加──イーサリアムは減少

イーサリアムブロックチェーンがNFT基盤として圧倒的な人気を集めている一方で、他のレイヤー1、レイヤー2ブロックチェーンは最近、取引高が上昇している。

CryptoSlamのデータによると、レイヤー1ブロックチェーンのカルダノは4月24日早く、NFT取引高で第4位のレイヤー2、ポリゴンを一時上回った。

ビットコインやイーサリアムの初期のクジラ、突然活動を再開

2012年に最後に活動したそのようなクジラ(大口保有者)の1つが、この週末に400BTC(約1100万ドル、約14億7314万円)以上を動かしたことが、データで示されている。

このクジラは、ある1つのウォレットに360BTCを、別のウォレットに40BTCを移動させた。このクジラは2012年に約900BTCを購入し、それ以来BTCを持ち続け、初期投資に対して約4万%の利益を得ている。

イーサリアム・レイヤー2のTVL、過去最高に

イーサリアムの価格上昇に伴い、イーサリアムのレイヤー2ネットワークの預かり資産(Total Value LockedTVL)も上昇し、4月14日には過去最高の100億ドル(約1兆3400億円)に達した。

TVLはその後、暗号資産市場の下落により減少したが、レイヤー2分析サイトL2Beatのデータによると、年初の2倍以上となる約92億9000万ドルを維持している。

Google Cloud、Web3開発会社の支援強化

「Google for Startups Cloud Program」は、スタートアップや新興プロジェクトをサポートする取り組み。今回、Web3開発会社を対象に内容を強化した。プレシードからシリーズAまで、対象となるスタートアップやプロジェクトは、2年間で最大20万ドル分のGoogle Cloudサービス利用料割引や技術トレーニングなどを受けることができる。

ビットコインの「推定レバレッジ比率」、2021年12月以来の低水準

CryptoQuantによると、ビットコインの未決済建玉をデリバティブ取引所が保有する準備金で割った「推定レバレッジ比率」は4月26日、0.195まで低下し、2021年12月20日以来の低水準となった。

ゲンスラーSEC委員長、 暗号資産業界を批判する新たな動画公開

米証券取引委員会(SEC)のゲイリー・ゲンスラー委員長は4月27日、暗号資産企業は証券取引法に違反しているとする新たな動画を公開し、暗号資産業界に批判的なメッセージを再び発信している。

トークン化は伝統的金融の「キラーアプリ」: JPモルガン

米銀大手JPモルガン・チェースは、弱気相場や規制の不確実性にもかかわらず、伝統的金融資産を「トークン化」する計画を堅持している。

同行はイーサリアムブロックチェーンのパーミッション版であるデジタル資産プラットフォーム「オニキス(Onyx)」を使い、約7000億ドルの短期融資の取引を処理している。顧客はトークン化された米国債を取引したり、同行独自のデジタル通貨「JPMコイン」を利用できる。

三菱UFJ信託銀行とDatachain、ステーブルコインによるデジタル証券のクロスチェーン決済の技術検証に成功

三菱UFJ信託銀行とDatachainは4月27日、「ステーブルコインによるデジタル証券のクロスチェーン決済」の技術検証に成功したと発表した。

技術検証では、三菱UFJ信託銀行が開発を進めているステーブルコイン発行管理基盤「Progmat Coin(プログマコイン)」のブロックチェーン層の1つであるCordaと、Progmat以外のブロックチェーン基盤を想定したGoQuorumを相互接続し、両ブロックチェーン上のトークンの同時移転を実現した。

ロシア情報機関のビットコイン・ウォレット、ハッカーらしき人物が暴露

謎の個人がビットコインブロックチェーンが取引を記録する機能を利用して、ロシアの軍参謀本部情報総局(GRU)、対外情報庁(SVR)、連邦保安庁(FSB)が管理している986のウォレットを特定したと、ブロックチェーンデータ分析を手がけ、米政府とも密接に連携している米チェイナリシス(Chainalysis)は述べた。

|文・編集:coindesk JAPAN編集部
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