投資銀行ベレンベルク(Berenberg)の4月27日のレポートによると、今後数カ月のうちにビットコイン(BTC)が、近年、他の暗号資産(仮想通貨)やプロジェクトに譲っていた注目度や、「暗号の冬」に失った熱狂を取り戻すことができるかもしれないという。
アメリカの規制当局がこの業界を取り締まる中で、「ほとんどすべてのトークンが、セキュリティの面で失格の烙印を押され、強制捜査の対象となる危険性がある」とレポートは述べている。
唯一の例外はビットコインで「ブロックチェーン・プロトコルの設計に起因する分散化によって、米証券取引委員会(SEC)やその他の規制当局は、証券ではなく商品とみなしている」とアナリストのマーク・パルマー(Mark Palmer)氏は書いている。
同行は、ここ数カ月のビットコインの価格上昇は、「暗号資産市場だけでなく、グローバルな金融状況の中で、より多くの投資家がビットコインを賢明な選択肢として認識している」ことの表れだと見ている。
最近のアメリカの銀行危機と連邦準備制度理事会(FRB)の金利政策への懸念から、一部の国は米ドルへのエクスポージャーを減らし、それが脱ドル化への懸念を煽ることで「ビットコインの価値提案を強調するのに役立つかもしれない」とレポートは述べている。脱ドル化とは、世界の基軸通貨としての米ドルの優位性が低下することを意味する。
2024年5月に予定されている4回目のビットコイン半減期もポジティブな触媒となる可能性があるとレポートは述べている。そして「もし歴史が何らかの指針になるなら、ビットコインはこの待望の半減期に先立ち、またはその後に上昇する可能性がある」と指摘している。
「ビットコイン・ブロックチェーンの有用性は、ライトニング・ネットワークの牽引力の高まりによって浮き彫りになっている」とレポートは付け加えている。ライトニング・ネットワークは、ビットコイン・ブロックチェーンの上にレイヤーを作り、ユーザーが生成したマイクロペイメント・チャンネルを利用して、より効率的にトランザクションを実行するものだ。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Is Poised to Reclaim Crypto’s Spotlight: Berenberg