セレブ、銀行、音楽レーベルは、少し前はNFTに積極的だったが、長引く「暗号資産の冬」で、その意欲は冷え込んでいる。だがワーナー・ミュージック・グループ(WMG)はそうした状況のなか、NFTを推進している。
WMGのチーフ・デジタル・オフィサー、オアナ・ルクサンドラ(Oana Ruxandra)氏にとって、NFTはアーティストを前進させるための鍵だ。
WMGは、メタバースの「The Sandbox」やブロックチェーンゲームの「Splinterlands」などとパートナーシップを結んでWeb3に取り組んでいる。
2021年にはゲームプラットフォームの「Roblox」に投資し、2023年2月にはラッパーのSaweetieを起用して、Robloxでバーチャル「スーパーボウル」を開催。壇上で紹介された動画によると、イベントは再生回数が750万回にのぼり、「いいね!」率は91%にのぼったという。デジタルグッズも販売したとルクサンドラ氏は述べた。
「デジタルによって拡張された空間が、物理空間と同様に存在することは、私たちの未来にとって重要な要素だ」
Web3において急成長している音楽の取り組みは、デジタル空間にいるアーティストが今日的な意味があり、将来を見据えた、個性的なアイデアに注力すれば、今後も生き残るだろうとルクサンドラ氏は語った。また、すべてのアーティストがNFTに取り組む必要はないと付け加えた。
「オーディエンスが誰かを理解し、コミュニケーションする必要がある。オーディエンスのところへ行き、何を求めているかを理解しよう」
クルサンドラ氏は、物理的な場所、あるいはDiscordチャンネルやソーシャルメディアを通してファンとコミュニケーションすること、さらに長期的なロードマップを持つことを勧めた。
そして自身のコミュニティを構築できれば、ファンを「さまざまな体験」に駆り立てることができ、また、コミュニティは制作プロセスの一部であるべきとも語った。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Consensus 2023/CoinDesk
|原文:Web3 Music Requires Fresh Ideas to Succeed, Says Warner Music Exec