ジャック・ドーシー氏率いる決済企業のブロック(Block)は、インテルから大量のビットコイン(BTC)マイニングチップを購入、インテルがマイニングチップの製造を終了させるなか、マイニングハードウェア市場参入計画を加速させている。最先端の3ナノメートルチップの開発に注力しつつ、マイニングマシンを市場に投入していくという。
インテルは2月、BTCマイニング用の特定用途向け集積回路(ASIC)の生産を2024年4月に終了すると発表した。
ブロックは4月28日、このASICをインテルから大量購入する機会に飛びついたとブログに記した。同社は今四半期中にBTCマイニング用の5ナノメートルチップの設計を完了し、マシンを製造する予定だった。チップの購入によって、同社は3ナノメートルチップの設計に専念できることになったとしている。
ブロック製マシンは2024年初めに登場する予定と、同社ハードウェア責任者トーマス・テンプルトン(Thomas Templeton)氏はCoinDeskとのインタビューで語っている。同社が購入したチップの数量について同氏は、ブロックが独自の3ナノメートルチップを設計、製品化できるまでの時間を稼ぐのに十分な数と述べた。
マイニングマシン製造の目的は、BTCネットワークの分散化の向上と同社は述べた。マイニングに関しては、主な問題は「製造とサプライチェーンの多様性」とテンプルトン氏。「もっと多くの人が使えるツールを作りたいと考えている。マイニングを突き詰めると、ASICに行き着く」
マイニングマシン業界は、2社が寡占している。ビットメイン(Bitmain)とマイクとBTだ。
3月、ブロックはエンジニアが同社製チップを使ったマイニングマシンを作ることができるマイニング開発キットに取り組んでいると発表。BTCマイニングマシンのイノベーションを実現するツール群を開発者に提供すると述べていた。同社はツール群のオープンソース化を進めており、コミュニティが開発に貢献できることを望んでいる。キットを発表した理由はそこにあるとテンプルトン氏は述べた。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Consensus 2023/CoinDesk
|原文:Jack Dorsey’s Block Snaps Up Bitcoin Mining Chip as Intel Winds Down Production