ビットコインのユースケースは「爆発的な成長」を見せた【Consensus 2023】

ビットコインエコシステム企業のトラスト・マシーンズ(Trust Machines)は、2023年第1四半期に「ビットコイン(BTC)のユースケースは爆発的な成長」を見せたとレポートで述べた。

レポートは、新たな成長と普及を促進する主要ユースケースとして、ビットコインNFT、ビットコイン・ネーム・サービス(BNS)、同社のエコシステムの多くに使われているビットコイン・スマートコントラクト・プラットフォーム「Stacks」をあげている。

Web3開発は、イーサリアムブロックチェーンをはじめ、他のチェーンをベースに指数関数的に拡大してきたが、ビットコインブロックチェーンでの開発は遅れていた。

しかし、新たなユースケースやテクノロジーが登場したことで、状況は変わりそうだとトラスト・マシーンズのCEOで、Stacksの共同創設者であるムニーブ・アリ(Muneeb Ali)氏は28日、「Consensus 2023」の「Building on Top of Bitcoin (for Real)」と題したセッションで語った。

「私がなによりも最も期待していることは、開発者カルチャーの復活。ビットコインが再び楽しくなったのは、再び開発する場となったから。起こり得る最高の出来事だ」

決済に限定

ビットコイン・ブロックチェーンは、歴史的に決済に限定されてきた。生みの親であるサトシ・ナカモトでさえ、非金融的用途を否定していた。しかし、ビットコインをWeb3に進化させるためのレイヤー1基盤として利用する新しい技術が登場している。

ビットコインNFTは今年1月、「Ordinals」プロトコルの登場で話題を集めた。Ordinalsは、ビットコインの最小単位であるサトシ(あるいは、sats)に「インスクリプション」と呼ばれるテキストや画像などの任意のコンテンツを追加し、ビットコインネットワーク上で保有・移転できるユニークな「デジタルアート」を作成する。

トラスト・マシーンズの調査によると、すでに100万以上のインスクリプション、つまりビットコインNFTが作成されている。

また、姉妹プラットフォームの「BTC.us」では、2022年以降、BNSの登録数が400%増加している。BTC.usを使うと、ユーザーは通常、文字列で表されるアドレスを「.btc」を使ったドメインネームとして登録でき、ビットコインの送受信などに利用することもできる。

トラスト・マシーンズは、登録数の増加は、Ordinalsと、ジャック・ドーシー氏が支援している分散型ソーシャルメディア「Nostr」の立ち上げによるものと考えている。

ビットコインをブログラム可能に

ムニーブ・アリ氏が共同創設したレイヤー2ブロックチェーンのStacksは、現在、トラスト・マシーンズのエコシステム内のほとんどのアプリケーションに使われている。ブロックチェーン分析企業メッサーリ(Messari)のレポートによると、Stacksの1日あたりの平均アクティブユーザーとアドレスは「2022年第4四半期(10−12月期)にそれぞれ76%、42%増加」している。

Stacksは昨年末、「Stacks bitcoin(sBTC)」と呼ばれる新しい暗号資産を使って、ビットコインブロックチェーンを完全にプログラム可能なものにする方法を示したホワイトペーパーを発表した。

「この数カ月、ビットコインNFTが盛り上がっているが、ビットコインの分散型金融のユースケースを完全に解放するためには、もっと開発が必要」とメッサーリは述べており、そのための最大の取り組みがsBTCと続けている。

Stacksは現在、sBTCのテストネットをローンチ済み、メインネットのローンチは今年後半を目標としている。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Consensus 2023/CoinDesk
|原文:Bitcoin Use Cases Are Seeing ‘Explosive Growth,’ Trust Machines Says