Ordinalsで構築され、ビットコインベースチェーン上に保存されるトークン規格「Bitcoin Request for Comment」、別名BRC-20への関心が急上昇し、そのトークンの市場価値が数百%上昇した。
Ordinalsを構築したOrdspaceが追跡したデータによると、8800個以上のBRC-20の時価総額は1億3700万ドル(約188億3000万円)で、1週間前の1750万ドル(約24億円)から682%という驚異的な上昇を記録している。また、5月2日の早朝、同サイトは一瞬、時価総額を29億3000万ドル(約4027億円)と表示した。しかし、Ordspaceはこの数字は正確ではなく、一部のトークンの流動性が低いことが原因だろうと述べている。
Domoという匿名のオンチェーン・アナリストは、ビットコイン・ブロックチェーン上でのファンジブル・トークンの発行と転送を容易にするため、3月初旬にBRC-20というトークン規格を作成した。この実験的な発明は、Ordinalsプロトコルが公開された数週間後に行われたもので、ユーザーはビットコイン・ブロックチェーン上の小さなトランザクションにデジタルアートの参照を書き込むことができるようになった。
「Ordinalsは、意図しない結果をもたらした。そのうちの1つがファンジブル・トークン規格、BRC-20の発明だ。BT上でファンジブル・トークンを作ることが可能になった」と匿名アナリストでイールド・ファーマーのDynamo DeFiは週刊ニュースレターの最新号で述べている。「ローンチ以来、BRC-20は全ビットコインの活動の6%近くを占めている」。
BRC-20規格は人気のあるERC-20規格に似ているが、スマートコントラクトと対話する機能を欠いている。ERC-20は、スマートコントラクトの最高峰ブロックチェーンであるイーサリアムを使って作成された代替可能なトークンの技術標準だ。
「BRC-20は、EVMチェーンでおなじみのトークン標準とそのさまざまなルールを管理するスマートコントラクトを作成するものではない。その代わり、単にビットコインにスクリプトファイルを保存し、それを使ってトークンをサトシ(SATS)に帰属させ、ユーザー間で転送できるようにする」と暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)は述べている。
アクティブなBRC-20規格トークンのほとんどは、ミームコインに該当する。記事執筆時点では、BRC-20を使用して鋳造されたコインのトップ3は、ORDI、OG、PEPEだった。
Boolean Fundのマーク・ジェフリー(Mark Jeffrey)氏によると、BRC-20のトークンの発売により、暗号資産取引所の必要性がなくなったという。
「BRC-20規格では、ビットコインのブロックチェーンが取引所になる。バイナンスもコインベース(Coinbase)も必要ない。必要なのはビットコインのウォレットだけだ。作成してSATSで売買する。ビットコインはもはやガスだ」とジェフリー氏は週末にツイートし、BRC-20トークンの時価総額が上昇していることに言及した。
With BRC-20’s, the #Bitcoin blockchain IS the exchange.
— Mark Jeffrey (@markjeffrey) April 30, 2023
There is no Binance, no Coinbase required. Just a Bitcoin wallet.
You create, buy and sell with sats. Bitcoin is now gas. https://t.co/oAA8K1iqXF
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Ordspace
|原文:‘Bitcoin Request for Comment’ Tokens Surge to $137M in Market Value