P2P取引所Hodl Hodl、中国の対グーグルファイアウォールを迂回

シンプルな変更により、ピアツーピア(P2P)ビットコイン取引所ホドル・ホドル(Hodl Hodlを利用できる地域が拡大した。

ホドル・ホドルは、同社のサービスを中国で展開することを同社のブログにて発表した。ホドル・ホドルは、これまで中国でサービスが利用できなかったのは、同社が利用している、グーグル(Google)のサービス「リキャプチャ(reCAPTCHA)」が中国のファイアーウォールによってブロックされていることが原因だった、と述べた。

オンボーディング(口座開設)、取引サービスの一環として、ホドル・ホドルはボットを特定するためにリキャプチャを利用している。ホドル・ホドルは、リキャプチャの設定を変更することで、同社のプラットフォームを中国の投資家に提供することができるようになった。

ホドル・ホドルの担当者は、同社は中国のトレーダーを常に受け入れてきたが、中国のネット監視システム「金盾」が問題となっていた、とCoinDeskに述べた。またホドル・ホドルはこの先、中国が大きな市場となることを期待しているとして、次のように語った。

「お客様のプライバシーと安全のために、弊社のプラットフォーム上のP2P取引データを公開することはありません。しかし中国において、特にしばらく前に最大級の中央集権型の取引所がなくなってから、P2P取引には大きな需要があるということは言えます。

私たちは中国市場での地盤をしっかりと確保することを計画しており、中国が弊社にとって最大の市場の1つとなると見込んでいます」

P2P取引の拡大

P2Pビットコイン取引サイトのローカルビットコインズ(LocalBitcoins)は2019年5月、イラン在住のユーザーが同社のプラットフォームを利用することを禁止した。CoinDeskは当時、この動きは米政府のイランに対する制裁に影響されている可能性が高い、と報じた

同サイトから締め出されたイラン在住ユーザーらは、ホドル・ホドルのような代わりとなるプラットフォームを探し当てた。

事実、ローカルビットコインズがイランから撤退した頃、ホドル・ホドルのプラットフォームは、ちょうどペルシャ語への対応を開始した。また現在、標準中国語(北京官話)にも対応している。

ホドル・ホドルは現在、同社のサービスが提供されていない唯一の国であるアメリカでの提供にも取り組んでいる。P2P取引所として「(ホドル・ホドルの)の役割はなるべく多くの人に利用可能となっていることです」と、プロジェクトマネージャーのアーサー・ザハロフ(Arthur Zaharov)氏は語った。

翻訳:山口晶子
編集:町田優太
写真:Firewall image via Shutterstock
原文:P2P Exchange Hodl Hodl Sneaks Around China’s Google Firewall