ミームコイン取引量が2年ぶりの高水準──ビットコイン弱気転換のシグナルか

ミームコイン(インターネットのミームを起源とし、固有の有用性を持たない暗号資産)の取引量は先週急増し、過去のビットコイン(BTC)市場の頂点に達する前に観察された熱狂的な活動を彷彿とさせる動きを見せた。

ブロックチェーンのオブザーバーであるジェームズ・トラン(James Tolan)氏のDune Analyticsのデータを使った分析によると、先週のミームコインの取引量は23億ドル(約3105億円)で、前週の3億8700万ドル(約522億5000万円)から6倍に増加し、2021年5月以来の最高額となった。

この熱狂を主導したのは、4月中旬に発行されたカエルをテーマにしたトークンで供給量420兆個のペペコイン(PEPE)だった。PEPEは金曜日に時価総額10億ドル(約1350億円)を超え、最終的に18億2000万ドル(約2457億円)でピークに達したが、これは誕生から3週間のミーム暗号資産(仮想通貨)としては驚異的な数字だ。記事執筆時点では、CoingeckoによるPEPEの時価総額は9億3100万ドル(約1257億円)だった。

ミームコインの週間取引量の推移(James Tolan/Dune Analytics)

PEPEの熱狂は、DINO、WSB、CHAD、4TOKENといった時価総額の少ない他のトークンの投機にも拍車をかけ、過去2週間で数百パーセントの上昇を見せた。

歴史的に、ミームコインへの投機熱は、時価総額トップの仮想通貨であるビットコインのピークや弱気への反転を予兆している。

歴史的に、ミームトークンへの投機的な熱狂はビットコインの大きなピークを示している。(James Tolan/Dune Analytics、CoinDesk)

ビットコインは記事執筆時点で2万7970ドル付近で取引され、ドルインデックス(DXY)の弱さにもかかわらず、その日、2%下落している。ビットコインは通常、ユーロを含む主要通貨に対する米ドルの為替レートを示すドルインデックスとは逆の方向に動く。

DXYは、5月5日に驚くほど強い米雇用統計の発表を受けて101.75まで跳ね上がったが、それ以降は101.20以下まで下落している。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:James Tolan/Dune Analytics
|原文:Meme Coin Trading Volume Surges to Two-Year High, Signals Caution for Bitcoin Bulls