ライトコインの取引数、過去最高を記録──BRC-20トークン人気によるビットコインの取引手数料高騰が影響

ライトコイン(LTC)ブロックチェーンの取引(トランザクション)数が過去最高に急増した。ミームコイン(インターネットのミームを起源とし、固有の有用性を持たない暗号資産)人気が高まり、ビットコインブロックチェーンの取引手数料が高騰、暗号資産(仮想通貨)ユーザーが代替手段を急ぎ模索しているためだ。

ビットインフォチャーツ(BitInfoCharts)のブロックチェーンデータによると、ライトコインは5月8日、52万件以上のトランザクションを実行。ビットコインの1日あたりのトランザクション数57万5000件に迫った。ライトコインブロックチェーンの平均トランザクション数と比較すると年初の5倍、2018年1月の強気相場のピーク付近で達成した過去最高の2倍以上となっている。

BitInfoCharts

BRC-20トークン人気

この伸びは、ビットコインブロックチェーンがBRC-20規格に準拠したトークン、いわゆる「BRC-20トークン」の人気が高まったことで大混雑している中で起きた。BRC-20規格とは、ユーザーがビットコインブロックチェーンを使用してOrdinalsプロトコルでトークンを作成および送金できるようにする規格で、最近導入された。

BRC-20トークン人気で、ビットコインブロックチェーンの取引手数料は、ビットコイン(BTC)価格が当時の最高値約6万4000ドルに達した2021年5月の水準を上回っている。取引高で世界最大規模の暗号資産取引所バイナンス(Binance)では、8日早朝にビットコインの引き出しを一時的に停止する事態になった。

ビットコインブロックチェーンが混雑していることで、ユーザーはステーブルコインやライトニングネットワークなど、より手数料の安い代替手段を急遽必要とするようになった。

ライトコインも代替手段の選択肢の1つになっている。ブロックチェーンデータ分析企業グラスノード(Glassnode)のデータによると、8日にはトランザクション数が過去最高に達したことに加えて、アクティブウォレットアドレス数も過去最高の71万8000まで増加した。

ライトコイン財団(Litecoin Foundation)は、グラスノードのデータを引用して、暗号資産ユーザーは1日で約50万の新しいライトコインアドレスを作成したとツイートしている。

ライトコインブロックチェーンのネイティブ暗号資産ライトコインは過去24時間で約3.5%上昇し、約80ドル付近。約1%上昇のビットコインを上回る上昇を見せた。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:林 理南
|画像:ライトコインのステッカー(Nikhilesh De/CoinDesk)
|原文:Litecoin Transactions Hit Record High as Bitcoin Fees Surge Amid BRC-20 Frenzy