自民党のweb3プロジェクトチーム、新時代における国家戦略策定を岸田首相に提言

自民党デジタル社会推進本部web3プロジェクトチーム(web3PT)は5月9日、プロジェクトチームの議論をまとめた「web3ホワイトペーパー」を官邸で岸田首相に提言した。なお「AIの進化と実装に関するプロジェクトチーム」も合わせて提言を行った。

ChatGPTで先行するオープンAI/マイクロソフト陣営に対して、グーグルが日本語を含めた約40の言語に対応するAI基盤を発表するなど、AI開発競争は過熱している。

2つのプロジェクトチームの提言は、こうした時代の急速かつドラスティックな変化に対応した新時代における国家戦略の策定を求めるもの。AIを取り巻く世界的な変化を「『AI新時代』の到来」と位置づけている。

web3に関する提言では、「暗号資産業界の苦難を幾度も乗り越えてきたわが国だからこそ、web3の計り知れない将来性を、説得力を持って世界に説くことができる位置にいる」と述べ、日本の規制が世界の先を進んでいる現状を踏まえ、日本が切り拓くweb3の未来の可能性を示した。

JAPAN IS BACK, AGAIN

「web3ホワイトペーパー」は、第1章のタイトルに「JAPAN IS BACK, AGAIN」と掲げ、「かつてこの国はweb3の中心になりかけていた」と訴えかけている。

「暗号資産の冬」の到来は、「世界から忘れられかけていた日本のweb3環境の強靭性に再び光を当てる契機となった」と評価しているが、事実、4月に末に開催された「Consensus 2013」でも、日本の規制の先進性が改めて評価され、Consensus初の国をテーマにしたセッションとして「Why Japan Is Embracing Crypto」が開催された。

ホワイトペーパーの副題は「誰もがデジタル資産を利活用する時代へ」となっており、「web3の推進に向けてただちに対処すべき論点」「web3のさらなる発展を見据え議論を開始・深化すべき論点」が整理されている。

関連記事:【5月18日 オンライン無料開催】Consensus 2023 報告会:大企業のWeb3参入、規制、AI、RWA、NFT&DAO──世界は最先端のテーマをどう捉えていたのか?

編集|増田隆幸
画像|