ビットコイン、2カ月ぶりの安値──BTIは強気から中立に

米CoinDeskのビットコイン・トレンドインジケーター(Bitcoin Trend Indicator:BTI)が3週間ぶりに強気バイアスを解除したことを受け、ビットコイン(BTC)は失速を続けている。

米CoinDeskのデータによると、この時価総額トップの暗号資産(仮想通貨)は記事執筆時点で2万6160ドルまで下落し、3月17日以来の安値を記録した。価格は5月6日以降12%以上下落し、ナスダックなど伝統的なリスク資産の上昇とは乖離している。

ビットコイン価格の方向性と強さを測定するBTI指標は、5月11日に強気から中立に転じた。この指標は、3月中旬の短いレッドフラッシュ(下降トレンドのシグナル)と4月24日の中立値を除いて、1月13日以来、一貫して上昇トレンドのシグナルを発していた。

BTIは上昇トレンドから中立に転じた。(CoinDesk)

アストロノート・キャピタル(Astronaut Capital)の最高投資責任者マシュー・ディブ(Matthew Dibb)氏によると、流動性の低さから、少数の売り手が価格を下げているという。

「BTCのようなメジャーなものでさえ、今は『紙一枚』とも言えるの流動性の薄さがあるようだ。弱さの直接的な理由を指摘することはできないが、中規模から大規模なオファーがあれば、市場は下げている」とディブ氏は述べている。

バイナンス(Binance)を含む主要な暗号資産取引所では最近、流動性や市場の深さが悪化しており、トレーダーが価格に影響を与えずに大量の注文を実行することが難しくなっている。

クオンツ主導の取引会社TDX Strategiesの創設者兼CEOのディック・ロー(Dick Lo)氏によると、従来のリスク資産が下落に転じた場合、下降の動きが加速する可能性があるという。

「米国株も反転し始めれば、下落が加速する可能性がある」とロー氏はCoinDeskに語った。「2万5200ドルはBTCの重要なサポートであり、さらに下降の可能性がある場合は2万3100ドルが続く」。

ロー氏は、価格が2万8500ドルを超えて上昇した場合は弱気なバイアスは無効になると付け加えた。

先週、アナリストが警告したように、ビットコインは2カ月ぶりの安値まで下落し、テクニカルチャートではヘッドアンドショルダーの弱気反転パターンが確認された。この下落は、2万5000ドル付近のサポートに向けて、より深い下落の扉を開くものになるかもしれない。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin Prices Slip to 2-Month Lows As CoinDesk’s Bitcoin Trend Indicator Turns Neutral From Bullish