ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)は15日、それぞれ2.6%、2.5%上昇し、好調な値動きで週をスタートさせた。
ビットコインの20日移動平均線は当記事執筆時点で2万8300ドルにあるが、それを3%下回って取引されている。一方、イーサリアムは20日移動平均線を1.9%下回っている。前週、どちらもボリンジャーバンドの下限を抜けていたことから、20日移動平均線を回復できるかどうかに注目が集まる。
取引高は減少傾向
値動きに影響を与えるセンチメントは、取引高のレベルによって強まったり弱まったりするため、取引高が注目される。15日の全スポット市場の取引高はビットコインが34%、イーサリアムが35%急増したが、どちらも30日移動平均線を超えてはいない。
取引高が減少傾向にあることは、新規の市場参加者はリスクを取ることに、既存の市場参加者は買い増しを行うことに消極的なことを示している。CoinDeskのビットコイン・トレンドインジケーター(Bitcoin Trend Indicator:BTI)が、5月10日に出した「中立」シグナルの範囲内に留まっていることからも、同様の見方ができる。
RSIは中立
RSI(relative strength index:相対力指数)も、ビットコインが44.17、イーサリアムが46.25となっており、中立の範囲内に収まっている。
RSIは0~100の数値の中で推移し、モメンタムの計測に使用される。70を超えると買われ過ぎの可能性があることを、30を下回ると売られ過ぎの可能性があることを示す。
2015年以来、同じようなRSIの数値が出た後のビットコインとイーサリアムの30日間の値動きは比較的穏やかで、過去の例ではビットコインは4.1%上昇、イーサリアムは2%下落という結果になっている。
ステーブルコインの動き
外的要因がなければ、投資家はステーブルコインの動きを、ビットコインとイーサリアムの次の値動きの方向性を示すものとして参照するかもしれない。
ステーブルコイン供給比率(SSR)は、ビットコインに特化した指標で、ビットコインの時価総額をステーブルコイン全体の時価総額で割ったもの。数値が低いほど購買力が高いことを示し、数値が高いほど購買力が低いことを示す。つまり5月5日以降、SSRが11%低下していることは、ビットコイン市場に購買力の余地が存在することを示している。
一方、取引所のステーブルコイン総供給量は、取引所アドレスが保有するステーブルコインの総供給量を計測したもので、総供給量の増加は、暗号資産全体に投資される可能性のある資金が増えたことを示す。
ビットコインとイーサリアムは年初から65%、53%上昇しているにもかかわらず、取引所のステーブルコイン保有残高は年初から47%減少している。
しかし、SSRの低下は、ステーブルコインがビットコインに対して相対的に増加していることを示しており、価格上昇のシグナルとなる可能性がある。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:林 理南
|画像:CoinDesk
|原文:Crypto Markets Look to Recapture Momentum Following Down Week