利回りゼロの銀行預金への圧力は今後も続くと予想され、それによってイーサリアム(ETH)利回りがより魅力的になるとバーンスタインは5月15日の調査報告書で述べている。
現在は銀行預金から米国債市場への逃避が進んでいるが、ETHの利回り経済が主流になるにつれ、「ETHの預け入れとその利回りへの需要が高まらないとは考えにくい」とアナリストのゴータム・チュガニ(Gautam Chhugani)氏とマヌス・アグラワル(Manus Agrawal)氏は書いている。
バーンスタインは、「利回りのヒエラルキー」 においては短期金融市場の利回りが投資家にとって当然の選択であるが、これは法定通貨である米ドル建てだと指摘している。
現在、イーサリアムの保有者がネットワークバリデーターになるために1カ月近い待ち時間が発生している。
「金利の低下と米ドルの減価につながるハードランディングがあれば、ETH建てのETH利回りは直ちに非常に魅力的になる」と報告書は述べ、ETHの利回りはETH建てであり、この暗号資産(仮想通貨)は引き続きデフレ状態にあると付け加えている。
これらの利回りは、個人投資家と機関投資家の両方からの採用が増え続けているイーサリアムエコシステムの活動に直接リンクしているとアナリストは書いている。
また、報告書は「新しい暗号資産のサイクルは、今回は利回りに関するものになるだろう。銀行は利回りを貯蓄者と共有しないことでお金を稼ぐが、イーサリアムは儲けた分をすべてステーカーと共有し、金融政策を希薄化させることはない」とも述べている。
バーンスタインによると、「シャンハイ」アップグレード後のステーキング増加は予想を上回っており、ETH全体に占めるステーキングの量はアップグレード後に2%増加して約15%に達し、供給過剰の懸念に対処している。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:The New Crypto Cycle Will Be About Ether Yields: Bernstein