ビットコイン、2万7000ドル付近で推移──投資家は米債務上限問題に注目

ビットコイン(BTC)は5月16日、投資家が債務上限をめぐるバイデン政権の交渉に注目するなか、2万7000ドルをわずかに下回る水準でやや下落傾向のレンジ相場となった。

CoinDeskのデータによると、ビットコインは当記事執筆時点、2万6950ドル付近、24時間で約1.3%下落、2万6800ドル~2万7400ドルのレンジ相場となっている。

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イエレン米財務長官は、アメリカは早ければ6月1日に債務上限を突破するだろうと警告し、デフォルトは「景気後退につながりかねない」と述べた。また、一部のアナリストは債務上限問題の解決はビットコイン上昇につながる可能性があると考えている。

暗号資産運用会社BitBull CapitalのCEO、ジョー・ディパスクァーレ(Joe DiPasquale)氏は「現在のマクロ経済状況は、暗号資産の普及を促進するものと考えている」とCoinDeskに語った。

「債務上限の引き上げは、市場参加者が富を確保しようとするため、リスク資産にとって良い方向に働く」

ブロックチェーン分析会社IntoTheBlockのリサーチ責任者ルーカス・アウトミュロ(Lucas Outumuro)氏は、債務上限に関する取引があるかどうかにかかわらず「ビットコインの買いが入る可能性がある」と述べた。

アウトミュロ氏は、債務上限の交渉は現在進行中の銀行危機の影響は似ていると考えている。

「どちらもシステムの弱点を浮き彫りにし、その長期的な持続可能性に疑念を生じさせた。その結果、暗号資産のような代わりの選択肢の可能性に対する需要を生み出している」

イーサリアム(ETH)は16日、0.2%下落し、1820ドル付近となった。他のアルトコインでは、リキッドステーキングプラットフォームのLido DAO(LDO)が15日の上昇を継続し、さらに3%上昇。レイヤー2ブロックチェーンのポリゴン(MATIC)は2.8%下落し、0.82セント付近で推移した。

暗号資産市場全体のパフォーマンスを測定するCoinDesk Market Index(CMI)は、1.1%下落した。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin Slides Below $27K as Investors Eye Debt Ceiling Negotiations