ビットコイン、2万7000ドル割れ──投資家の注目は2024年の半減期に移るか

ビットコイン(BTC)は、投資家がワシントンD.C.で進行中の債務上限問題、および最新の規制動向を引き続き注視していることを受け、2万7000ドルを割り、前日からの上昇幅を失った。

CoinDeskのデータによると、ビットコインは当記事執筆時点、2万6700ドル付近、24時間で2.1%下落した。18日午前中、2万7500ドルを試したが、午後早い時間に2万6400ドル付近まで下落した。

CoinDesk

「ビットコインは、投資家が規制の明確さと、すぐにユースケースの議論が始まるとウォール街が信じているかどうかを見極めようとしているなか、直近の安値付近で推移した」とオアンダ(Oanda)のシニア・マーケットアナリスト、エドワード・モヤ氏は18日のメモに記した。

「このフラストレーションがたまるような取引レンジは多くの投資家を遠ざけ、暗号資産のファンダメンタルズがすぐにでも改善しなければ、下落圧力が再開する可能性がある」(モヤ氏)

Coinglassのデータによると、この4時間に2000万ドル(約27億円、1ドル135円換算)以上のビットコイン先物が清算された。87%がロングポジション、つまり価格上昇への投資だった。

イーサリアム(ETH)も同様の値動きとなり、1.6%下落して18日午後には1795ドル付近。暗号市場全体のパフォーマンスを測定するCoinDesk Market Index (CMI)は2.2%下落した。

債務上限問題

Ninepoint Partnersのデジタル資産グループ・マネージングディレクター、アレックス・タプスコット(Alex Tapscott)氏は、ビットコインは最近、「純粋な価値の保存手段」というよりも「テクノロジー株」のようなパフォーマンスを示しているとCoinDeskに語った。

「昨年、ほぼすべての資産が対米ドルで下落した。金利が上昇し、人々がレバレッジを解消するという、まさに流動性危機にあった。多くの人にとって、最も流動性が高く、最も安全な資産は米国債と米ドルだった」

債務上限問題は、ゴールドやビットコインといった「安全資産」を上昇させる可能性があると主張したアナリストもいたが、タプスコット氏は、政府がデフォルトに陥った場合、ビットコインが上昇するというシナリオに納得していないと述べている。

市場アナリストで、Genesis TradingとCoinDesk(いずれもDigital Currency Groupの子会社)の元リサーチ責任者、ノエル・アチェソン(Noelle Acheson)氏は、債務上限が引き上げられた場合、「財務省は国庫を補充するために大量の国債を発行するため、金融流動性が急速に引き下げられる可能性がある」と18日のニュースレーターで指摘した。

国債発行は「マネーが、現金やリスク資産から米国債に移動し、特にこれらの金融プロダクトの利回りが供給量の増加を相殺するために上昇する」ことを意味し、ビットコインとゴールドにとっては不利になり得ると付け加えた。双方とも、利回りが上昇している時に価格が下落する傾向がある。

半減期サイクル

債務上限問題で市場が揺らぐ一方、Ninepoint Partnersのタプスコット氏は、投資家はまもなく、ビットコインの2024年の半減期サイクルに目を向けるようになると述べた。半減期は「強気相場に先行することが一般的」だ。

メッサーリリサーチ(Messari Research)のアナリスト、サミ・カッサブ(Sami Kassab)氏は、過去3回の半減期(2012年、2016年、2020年)の価格チャートを検証すると「ビットコインは各半減期の12~18カ月前に一貫して強気市場に入っていることは明らか」とCoinDeskに述べた。

カッサブ氏は、現在のビットコインのB値動きはこうした過去のサイクルと一致しているようで、「このパターンがまだ維持されている」ことを示していると述べた。とはいえ、過去の実績は将来の結果を保証するものではない。

ByteTree Asset Managementの最高投資責任者、チャーリー・モリス(Charlie Morris)氏は、半減期は完全に織り込まれていない可能性が高いと語る。

「マイナーの売り圧力が文字通り半減するのは来年4月で、これは好材料。さらに、4年サイクル(=半減期)では通常、ビットコインはそのサイクルの平均価格を上回ってサイクルを終えることになる」

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin Drops Below $27K as Investors Continue to Weigh Debt Ceiling Talks, Regulatory Actions