三井物産デジタル・アセットマネジメントは5月22日から新しい個人向け資産運用サービス「ALTERNA(オルタナ)」の提供を開始する。
セキュリティトークンで投資の小口化を実現
ALTERNAの特長は、提供する商品が、主に不動産やインフラなどを裏付けとしたセキュリティトークン(ST)、いわゆる「デジタル証券」であること。セキュリティトークン(デジタル証券)を活用することで、従来は機関投資家に投資機会が限られていた不動産、インフラなどへの投資を小口化、10万円からの投資を可能にし、個人投資家に新たな投資の選択肢を提供、国や金融業界が推進する「貯蓄から投資へ」を後押しするという。
サービス名の「ALTERNA」には、預金や株式、投資信託といった伝統的な資産に対して、代替資産(オルタナティブ資産)となるものを提供し、さらには投資の新しい選択肢を提示したいという思いが込められている。
オルタナティブ資産は、伝統的な資産とは異なるリスク・リターン特性を持ち、世界の機関投資家のオルタナティブ資産保有額は拡大しているが、一方でアクセスは、大口投資が可能な大手機関投資家に限られていた。
ALTERNAは、ブロックチェーンをはじめとするデジタル技術を活用して、都心の大型不動産、あるいは物流施設、発電所といったインフラなどの実物資産(あるいは現実資産、Real World Asset:RWA)に、スマートフォンを使って簡単に投資できる個人向けの資産運用サービスとなる。すでに5月11日より事前登録者の口座開設を開始している。
第1号投資案件は日本橋エリアの1棟レジデンス「ステージグランデ日本橋人形町」で、6月2日より申し込みを開始する予定だ。
ブロックチェーン基盤は三菱UFJ信託銀行のProgmat
なお、セキュリティトークン(デジタル証券)の発行基盤(ブロックチェーン基盤)には、三菱UFJ信託銀行が開発・提供する「Progmat(プログマ)」を使用。Progmatは、ナショナルインフラを掲げて、9月以降に独立会社「Progmat(仮)」に移管する予定。
ブロックチェーンを活用して、個人投資家に新しい投資機会を提供しようという新しい動き、さらには金融グループの枠を超えて、業界全体でセキュリティトークン(デジタル証券)を推進しようという動きが「貯蓄から投資へ」の大きなトレンドの中で、どこまでユーザーの支持を得られるか注目される。
|編集:増田隆幸
|画像:リリースより