キャシー・ウッド氏は、アメリカは規制システムのためにビットコイン(BTC)のムーブメントを「失いつつある」と述べた。
先週開催されたフォーチュンの「Most Powerful Next Gen」カンファレンスで、資産運用会社アーク・インベストメント・マネジメントの創業者であるウッド氏は、暗号資産の重心がアメリカから離れつつあると述べ、暗号資産取引所コインベースが英領バミューダ諸島で営業許可を取り、シンガポールでの事業拡大も目指していることを事例としてあげた。
アークは、コインベース株を定期的に大量購入していることで知られている。
「アメリカがこうしたムーブメントをリードしていればよいが、規制システムのせいで失いつつある」(ウッド氏)
アメリカでの暗号資産の規制フレームワークに対するフラストレーションは、コインベースやリップルとの係争はいうまでもなく、米証券取引委員会(SEC)が、暗号資産業界には既存の証券法以上の特別なフレームワークは必要ないと言い続けていることに大きく起因している。
またウッド氏は、昨年のFTXの劇的な破綻に触れて、ビットコインの「コンセプトを証明した」と述べた。さらにシリコンバレー銀行、シルバーゲート銀行、シグネチャー銀行が破綻した今年の銀行危機も同様と続けた。ウッド氏は、こうした危機は金融システムにおける中央集権化の危険性を浮き彫りにし、ビットコインは危険に対抗し得るものと考えている。
「ビットコインが普及した理由は、まず、分散型で透明性が高く、監査可能な通貨システムというアイデアを多くの人が支持したためだ。ビットコインは、人々が金融サービスに対する信頼を失った、2008年/2009年の金融危機から誕生した」
「そして、非常に興味深いことに、このコンセプトを証明するために、昨年、さらに2つの危機が発生した。FTXの失敗は、中央集権的かつ不透明で、監査が不可能だったからだ」
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:キャシー・ウッド氏(Danny Nelson/CoinDesk)
|原文:U.S. Is ‘Losing’ the Bitcoin Movement: Cathie Wood