5月も残りあと1週間、ビットコイン（BTC）は2023年初めての下落で5月を終える可能性があり、当記事執筆時点6.8％下落となっている。イーサリアム（ETH）も同様の値動きとなっているが、月初からの下落幅は0.78%とよち小さい。
一方、CoinDesk Indicesのトレンドインジケーターを見ると、ビットコインもイーサリアムも現在、強気投資家にとってはトラブルのサインを示している。
トレンドインジケーターは、CoinDeskの子会社コインデスク・インディシーズ（CoinDesk Indices）が開発した指標。価格トレンドの方向性と強さを示すシグナルをデイリーベースで発信している。シグナルは「強い下落トレンド」から「強い上昇トレンド」までの5つ。
年初来の上昇トレンドから転換、下落トレンドに
ビットコイン・トレンド・インジケーター（BTI）とイーサリアム・トレンド・インジケーター（ETI）はいずれも、2023年に入ってから「上昇トレンド」または「強い上昇トレンド」を示す期間が多かったが、現在は「下落トレンド」となっている。
BTIとETIを過去の相場に当てはめると、2022年4月～6月にかけてビットコインが47%、イーサリアムが60%下落した弱気相場に先立って、「下落トレンド」のシグナルが表れていた。
下落トレンドは、規制の問題や、アメリカの債務上限問題などのマクロ経済の不確実性といった投資家を驚かせた出来事を反映している。ビットコインとイーサリアムは年初から4カ月連続で上昇していた。
下降トレンドへの転換は、ビットコインとイーサリアムの5日移動平均線が長期移動平均線を下回り、そのままの状態にあることを示している。
取引高も低迷
取引高も依然として低迷している。暗号資産取引所バイナンス（Binance）でのビットコインとイーサリアムの取引高は11日連続、17日連続で20日移動平均線を下回った。
またビットコインとイーサリアムのボラティリティを示すアベレージ・トゥルー・レンジ（ATR）もそれぞれ19.4％、28％低下している。1月〜4月に続き、5月も上昇で終えることを期待する投資家もいるが、取引レンジは横ばいになっており、楽観視できる理由はあまりない。
月初のビットコイン価格2万9300ドルの水準を超えて月を終えるには、約7.5％の上昇が必要。一方、下落幅が小さかったイーサリアムは約1%上昇で済む。
過去の傾向では、5月、ビットコインとイーサリアムは比較的堅実な値動きとなっており、1日の平均上昇幅は0.195%、週単位では約1.4%となっている。しかし、5月の残り日数を考慮すると、ビットコインが陽線でクローズする余地は小さいと考えられる。
｜翻訳：coindesk JAPAN
｜編集：林 理南
｜画像：CoinDesk
｜原文：CoinDesk Indices Trend Indicator Hints at Continued Downturn for Bitcoin, Ether
