投資会社ヴァルキリー・インベストメント(Valkyrie Investments)のテクニカル分析によると、ビットコイン(BTC)の最近の価格下落はまだ先があるかもしれない。
時価総額でトップのこの暗号資産(仮想通貨)は、今月、タカ派的な連邦準備制度理事会(FRB)の利上げが再燃してドル指数が回復し、アメリカの債務上限に関する不確実性が長引いたために、10%下落して2万6200ドルになった。
ヴァルキリーによると、ビットコインの日足チャートの一目均衡表(モメンタム指標)が弱気に反転したため、2万4000ドルに向けてさらなる下落が見られるかもしれないという。
日本のジャーナリストで株式評論家の細田悟一が1960年代後半に考案したのが「一目均衡表」だ。この指標は、先行スパンA、先行スパンB、転換線、基準線、遅行スパンの5本の線から構成されている。
先行スパンAと先行スパンBに囲まれた部分は雲と呼ばれ、より長いトレンドを識別するために使用される。強気な雲は緑、弱気な雲は赤だ。転換線(9日間の値幅の中間点)と基準線(26日間の値幅の中間点)のクロスオーバーは、短期の売買シグナルを識別するために使用される。
下のチャートには緑色の雲があり、長期的にはよい見通しを示している。しかし、ビットコインの価格は最近、雲の中に戻り、転換線(青線)が基準線(赤線)を下回り、弱気のクロスオーバーが確認された。
最高投資責任者のスティーブン・マクラーグ(Steven McClurg)氏が率いるヴァルキリーのアナリストは5月23日の顧客向けメモで、「これは、強気のモメンタムが低下し、短期的に縮小する可能性がある強気トレンドの継続を示唆している」と述べている。
3月上旬のビットコインの反落は雲の下限で止まり、その後の反発で4月中旬には3万1000ドルまで価格が上昇した。
「終値が雲の中に入るということは雲のサポートを失うことを示唆し、雲の下側の端へと移動する可能性がある。この場合、価格は2万4000ドル程度になるだろう」とアナリストは付け加えている。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Valkyrie Investments
|原文:Bitcoin’s ‘Ichimokou Cloud’ Suggests Deeper Drop Toward $24K: Technical Analysis