バイナンス、国内居住者向け新取引プラットフォーム設立へ/アメリカはBTCのムーブメントを「失いつつある」【5/20~5/26のトップニュース】

アメリカでの暗号資産の規制フレームワークに対するフラストレーションは、SECが暗号資産業界には既存の証券法以上の特別なフレームワークは必要ないと言い続けていることに大きく起因している──今週のトップニュースをダイジェストで振り返ります。

アメリカはビットコインのムーブメントを「失いつつある」:ウッド氏

先週開催されたフォーチュンの「Most Powerful Next Gen」カンファレンスで、資産運用会社アーク・インベストメント・マネジメントの創業者であるウッド氏は、暗号資産の重心がアメリカから離れつつあると述べ、暗号資産取引所コインベースが英領バミューダ諸島で営業許可を取り、シンガポールでの事業拡大も目指していることを事例としてあげた。

FATF「暗号資産禁止を求めているわけではない」──パキスタン財務相の発言を受けて

5月17日、パキスタンのニュースメディアは、同国のアイシャ・ガウス・パシャ(Aisha Ghaus Pasha)財務・歳入担当国務大臣が、FATFの監視強化国である「グレーリスト」から外れるためには暗号資産を合法化できないという条件を課されたと語ったと報じた。

暗号資産市場の回復は、ステーブルコインの縮小が止まるまで見込めない:JPモルガン

ステーブルコインの世界は縮小を続けており、これが止まるまで、暗号資産価格の持続的な回復はあり得ないと、JPモルガン(JPMorgan)は5月18日の調査報告書で述べている。

NFT、5月は取引高が10億ドルを割る見込み──だが、そもそも重要な指標か

Web3データプラットフォームのDappRadarが5月18日に発表したレポートによれば、NFTの5月の取引高はこれまでのところ、3億3300万ドル(約44億6000万円、1ドル135円換算)と、今年初めて、月次取引高が10億ドルを下回ろうとしている。

ジャック・ドーシー氏のブロック、「Web5」用ツールキット発表

ジャック・ドーシー氏率いる金融テクノロジー企業ブロック(Block)の一部門であるTBDは5月18日、同社が提唱する「Web5」プロジェクト用のオープンソースツールキットをマイアミで開催されたカンファレンス「Bitcoin 2023」で発表した。

トークン化米国債の需要が急増──暗号資産投資家がTradFiの利回りに注目

伝統的金融市場で利回りが上昇し、暗号資産投資家からの資金を集めている。特にトークン化された米国債に対する需要が急増している。

CoinDeskがまとめたデータによると、例えば、トークン化されたマネー・マーケット・ファンド(MMF)の時価総額は5億ドル(約680億円、1ドル135円換算)に迫り、年初から4倍にのぼっている。

ビットコインの値幅、ここ数カ月で最小に──高いボラティリティの前兆か

アメリカの地方銀行の安定性や国の債務上限に対する懸念が残る中、時価総額で世界最大の暗号資産(仮想通貨)であるビットコイン(BTC)が数カ月間で最も狭い価格帯に落ち着き、暗号資産市場は退屈なものになっている。

5月21日までの7日間につけた高値と安値の差である値幅は3.4%だった。これは過去3年間で最も狭いレンジの一つで、分析会社グラスノード(Glassnode)が追跡したデータによると、取引が低迷した今年の年初、先月の一時期、2020年7月に匹敵するものだ。

お祝いムードが一転、“ピザ”関連のミームコインで20万ドル以上のラグプル被害

5月22日はビットコイン(BTC)が初めて決済に利用された日を祝う「ビットコイン・ピザ・デー(Bitcoin Pizza Day)」、今年13回目を迎えた。しかし、新たに発行されたピザ関連のミームコインで「ラグプル(出口詐欺)」が行われ、20万ドル(約2700万円、1ドル135円換算)以上の損害が発生、暗いムードに転じている。

歩いて稼ぐゲーム「STEPN」、Apple Payでの支払いが可能に

ソラナ基盤のmove-to-earn(歩いて稼ぐ)ゲーム「STEPN」は、アプリの普及を目指し、法定通貨でのアプリ内課金を可能にするため、決済サービス「Apple Pay」を提携することになった。

今回の統合により、ユーザーはApple Payでゲームプレイに必要なNFT(非代替性トークン)スニーカーを購入することができるようになる。

マイクロストラテジーはコインベースに代わる魅力的な投資先:レポート

マイクロストラテジー(MicroStrategy)は、暗号資産(仮想通貨)セクターへのエクスポージャーを得ようとする投資家にとって、コインベース(Coinbase)の魅力的な代替投資先になるとドイツの投資銀行ベレンベルク(Berenberg)は5月22日の報告書で述べている。

暗号資産ファンド、5週連続の純流出──ビットコインファンドが大部分を占める

暗号資産(仮想通貨)ファンドは、ビットコイン(BTC)の下落を受けて、5週連続で純流出となった。

CoinSharesのレポートによると、先週の暗号資産ファンド全体の流出額は3200万ドル、5週間の流出額合計は2億3200万ドルにのぼる。ビットコインファンドは3300万ドルの純流出となっており、流出のほとんどをビットコインが占めたことを示している。…続きを読む

暗号資産ハッキング、2023年第1四半期は前年同期比70%減:レポート

2023年第1四半期のトークンプロトコルや暗号資産(仮想通貨)プロジェクトに対するサイバー攻撃は、ハッキングが横行した前年同期と比較して70%も減少したことが、セキュリティ企業TRMラボ(TRM Labs)の報告書で明らかになった。

ステーキングされたイーサリアム、過去最高に──シャペラ後に440万増

イーサリアムが4月12日にシャペラあるいはシャンハイと呼ばれるアップグレードを実施して以来、イーサリアム(ETH)のステーキング、つまりコインをイーサリアムネットワークにロックして受動的な利回りを得ることへの関心が急増している。

グラスノード(Glassnode)が追跡したデータによると、4月12日以降、440万個以上のコインがステーキングに預け入れられ、その総数は2258万個に達している。

ステーブルコインの時価総額、14カ月連続低下──暗号資産価格への逆風に

デジタル資産データ企業CCDataは、ステーブルコインの時価総額は1300億ドルまで減少しており、2021年9月以来の低水準となっていると5月23日のレポートで述べた。ステーブルコインの時価総額は2022年3月以降、継続的に縮小している。

アナリストは、ステーブルコインの時価総額の縮小は、流動性の悪化を意味し、暗号資産価格にとって逆風になると述べている。

ビットコインの長期保有、過去最高に

グラスノード(Glassnode)のデータによると、少なくとも1年間保有されているビットコインの割合は過去最高の68%に上り、少なくとも2年間保有されているビットコインは55%、3年間保有されているビットコインは40%に達している。

トレンドインジケーター、ビットコインとイーサリアムの下落継続を示唆

5月も残りあと1週間、ビットコイン(BTC)は2023年初めての下落で5月を終える可能性があり、当記事執筆時点6.8%下落となっている。イーサリアム(ETH)も同様の値動きとなっているが、月初からの下落幅は0.78%とよち小さい。

一方、CoinDesk Indicesのトレンドインジケーターを見ると、ビットコインもイーサリアムも現在、強気投資家にとってはトラブルのサインを示している。

EUの監督当局、暗号資産レンディングやステーキングも規制対象になる可能性を示唆

欧州連合(EU)の金融安定化監視機関は、成長する暗号資産(仮想通貨)と分散型金融(DeFi)が経済にシステミックリスクをもたらすようになるかもしれないと警告し、大規模な暗号資産コングロマリットとスマートコントラクトをカバーする新たな規制が必要になるかもしれないと述べている。

ビットコインマイナー、施設をAI向けに転換する動きも──エヌビディアの好調な見通しが後押し

エヌビディアの業績予想に対する「市場の圧倒的にポジティブな反応」は「多くのマイニング企業が、多くのキャパシティを他の形式のコンピューティングに割り当てる動きを追うインセンティブになるだろう」とマイニングサービス企業Luxor TechnologiesのCOO(最高執行責任者)イーサン・ベラ(Ethan Vera)氏は述べた。

バイナンス、日本国内居住者向け新取引プラットフォーム設立を発表

暗号資産取引所バイナンス(Binance)は5月26日、日本国内の法令遵守のもと、この夏をめどに国内居住者向け専用の新たな取引プラットフォームを設立すると発表した。稼働日など、詳細は近日中に改めて発表するという。

|文・編集:coindesk JAPAN編集部
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