F1、モナコGPからNFTチケットを導入

フォーミュラ1(F1)のチケット発行会社であるプラチナム・グループ(Platinium Group)は、今週末のモナコグランプリから、NFT(非代替性トークン)レースチケットを導入する。

プラチナム・グループは、ブロックチェーンインフラ企業のElemint、Web3エージェンシーのBaryと提携し、NFTチケットの作成や販売の支援を受ける。

プレスリリースによると、チケットはイーサリアムのサイドチェーン、ポリゴン(Polygon)上で鋳造される。NFTはレースへのアクセスを提供するだけでなく、レース後もホスピタリティ特典や将来のレース割引など、保有者にユーティリティを提供し続け、コレクターがブランドに忠実であることを奨励する予定だ。

Baryの共同創業者エリー・ゼルビブ(Elie Zerbib)氏は米CoinDeskに対し、NFTのチケットは購入者に透明性、トレーサビリティ、シームレスなデジタルチケット、パーソナライゼーション、エンゲージメントを提供すると述べている。しかし、世界中からファンを集めているスポーツにとって、簡単なオンボーディングは不可欠な要素だ。

「メインサイトで完全にシームレスな体験を提供することで、ユーザーはWeb3の知識がなくてもNFTのチケットを購入することができる」とゼルビブ氏は述べている。「ユーザーにこの新しいタイプのチケットに伴う利点を理解してもらい、F1体験を変える旅に出発させる」。

ElemintのCEO、ジャック-アンリ・エイロー(Jacques-Henri Eyraud)氏はプレスリリースで、イベントチケットにブロックチェーン技術を活用することは、F1をはるかに超えて、スポーツやエンターテインメントの大きな世界へと広がっていくと述べている。

エイロー氏は「Web3の技術によって、より安全で、各イベントの特殊性に適応したチケットソリューションを設計することが可能になった。あらゆるタイプのスポーツ競技のファンにとって、よりパーソナライズされた楽しい体験となるだろう」と付け加えた。

ゼルビブ氏によると、モナコグランプリでは、特定のNFTホルダーがイベントの最も高級なパーティーのチケットを提供される可能性がある。

過去2年間、複数の暗号資産(仮想通貨)企業がスポンサー契約のためにF1に参入し、新興産業の露出を付与するグローバルブランドの能力に後押しされた。2021年6月、暗号資産取引所のCrypto.comはF1とパートナーシップを結び、残りのシーズン中、サーキット上に同社のブランドを表示した。2023年3月には、暗号資産ブローカーのクラーケン(Kraken)がウィリアムズ・レーシングとスポンサー契約を締結した。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:F1のモナコグランプリ(Shutterstock)
|原文:F1 Ticket Provider Platinum Group Introduces NFT Tickets for Global Racing Event