柴犬をテーマにしたコイン「Floki」の取引高が急増──投資家は中国での普及に賭けている

柴犬をテーマにしたフロキ(FLOKI)は5月28日に10%以上急騰し、3週間以上ぶりの高い取引高を記録した。このトークンを使用するメタバースゲーム「バルハラ(Valhalla)」の中国での普及を見込んで、トレーダーがこのトークンに賭けたためだ。

柴犬の犬種をモチーフにしたこのトークンの取引高は、先週の2500万ドル(約35億円)から6000万ドル(約84億2000万円)以上に急増した。この増加は、中国の卓球の試合の中継で「Floki」の広告が映ったことに起因するようだ。それが、中国からの新しいトレーダーを引きつけるかもしれないと考えた一部の投機筋を惹きつけた可能性がある。

フロキの開発者は、ソーシャルメディアグループに中国系のコミュニティメンバーが流入してきたとツイートした

フロキプロジェクトは以前、「バルハラ」のユーザー獲得に向けた最新の取り組みとして、中国をターゲットにしていると発表している。ゲームのコンテンツと技術文書は繁体字中国語と簡体字中国語の両方で提供され、特に中国のゲーム市場をターゲットにしていると、開発者はその時に付け加えていた。

香港の暗号資産(仮想通貨)取引に関する規制が緩和されるのを前に、「中国に関するストーリー」がクリプトツイッターの一部の人々の間で拡散し、ここ数週間、コンフラックス(CFX)などアジアに焦点を当てたトークンの価格を上昇させた。

6月1日から香港では、トレーダーが国内の規制された取引所でビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)などのトークンに投資することができるようになる。ステーブルコインを保有することはできないが、この動きは、中国の裕福なトレーダーが近いうちに暗号資産市場に資金を投入する可能性があるという思いを抱かせるものだ。

「今年、ほとんどの主要国の経済が減速すると予想されている中、中国経済は力強く成長すると予測されている」とフロキのコア開発者100bvikingは米CoinDeskへのツイッターのDMで述べた。「JPモルガンは2023年の中国のGDP成長率を4%と予測している。これは世界経済の予測値の2.5倍、アメリカの経済成長予測値の4倍だ」。

「この力強い成長は暗号資産にも波及するだろう。特に、数日後に香港が暗号資産を合法化するが、これは中国が暗号資産を認める兆しでもある。中国が次の暗号資産のブルランを牽引する可能性は非常に高い」と100bvikingは付け加えている。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Shiba Inu-Themed Floki Sees Trading Volume Surge Amid China Plans