タイは、輸送追跡手続きの効率化のために、IBMと海運大手マースク(Maersk)のブロックチェーンプロジェクトを導入する。タイ英字紙バンコク・ポスト(Bangkok Post)が伝えた。
バンコク・ポストは2019年8月29日(現地時間)、タイの税関局が、「タイランド4.0」政策の一環として、IBMとマースクが共同で運用するロジスティクス・プラットフォーム「トレードレンズ(TradeLens)」を採用すると報じた。東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国の中で同プラットフォームを採用するのは、シンガポールに次いでタイが2国目となる。
ローンチ以来、90社以上がトレードレンズに参画している。
バンコク・ポストの報道によると、タイの税関職員は、輸送コンテナが積出港から出港すると通知を受けることとなり、到着により備えることができるようになる。
IBMタイランド(IBM Thailand)のインドシナ拡張担当バイスプレジデント兼マネージングディレクターのパタマ・チャンタラック(Patama Chantaruck)氏は、ブロックチェーンツールを取り入れることは、国内・国際貿易の近代化に役立つとバンコク・ポストに述べている。具体的にトレードレンズに関しては、チャンタルック氏は次の通り語った。
「トレードレンズはタイの税関局に自動、かつ変更不可能な追跡ツールを提供してくれます。また、多様なエコシステム参加者のネットワークからの情報をほぼリアルタイムで共有することを可能とし、より安全で、透明性が高く、効率的でシンプルなワークフローの実現につながります」
データの透明性向上は、不正や偽造の検査、および関税徴収の効率化につながる可能性がある、とバンコク・ポストは伝えている。
タイ税関局は、トレードレンズ担当者との協議を2018年10月に開始した。まずはチョンブリー港、その後バンコク港で導入される、と伝えられている。
タイのトレードレンズ導入は、その他多くの国の規制当局や15の海運業者に続く形となる。
翻訳:山口晶子
編集:町田優太
写真:Bangkok, Thailand skyline photo via Shutterstock
原文:IBM-Maersk Logistics Blockchain to Be Used by Thai Customs Department