機関投資家の資金を惹きつけるにはESGの取り組みが不可欠:「Consensus 2023」参加者調査

世界の機関投資家の資金のかなりの部分が現在、ESG(環境・社会・ガバナンス)に注目している。プライスウォーターハウスクーパース(PwC)が2022年10月に発表したレポートによると、世界のESG関連の運用資産残高(AUM)は2026年までに33.9兆ドル(約4750兆円、1ドル140円換算)に達し、世界のAUMの21.5%を占めると予測されている。

簡単に言えば、暗号資産/ブロックチェーン企業が機関投資家の資金を獲得したければ、ESGへの取り組みが必要だ。

この記事は「Consensus 2023」で行われたグループディスカッションをまとめた米CoinDeskのレポート「Consensus @ Consensus」の抜粋。レポート全文(英文)はこちら

暗号資産業界には、ESGを難解な取り組みとして拒否する人もいるが、Consensus 2023でのディスカッションの参加者は楽観的で、ESGを遠ざけることなく、いかに受け入れるかがテーマとなった。

最も明白で簡単な解決策は、プルーフ・オブ・ステーク(PoS)コンセンサスメカニズムの採用を促進すること。ユーザーは保有する暗号資産を預け入れることで、取引のバリデーターとなる(アンケートに答えた165人の半数以上が、気候変動に対処するための最良の選択肢と回答した)。

「プルーフ・オブ・ワーク(PoW)とプルーフ・オブ・ステーク(PoS)は、ワシントンの多くの人々の頭をかすめているだけ」と米議会での勤務経験がある「Consensus 2023」参加者の1人はディスカッションで述べ、「ブロックチェーンが現実の問題を解決するためのユーティリティとして使われるようになることが、この問題を正しく理解するための最初の一歩となる」と続けた。

ブロックチェーンは二酸化炭素を大量に排出するようなマイニングプロセスを止めるべきかといった重要な問題については、出席者の意見は一致しなかったが、暗号資産業界と規制当局の間の断絶については一致した。

暗号資産業界がワシントンDCの言葉を話し始め、国会議事堂の人々と会話できるようにならない限り、暗号資産のESGへの取り組みに関する理解が得られるポイントはほとんどないだろう……レポート全文(英文)はこちら

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Consensus 2023のパネルディスカッション(Shutterstock/CoinDesk)
|原文:If Crypto Wants Institutional Dollars, It Needs an ESG Game Plan: Consensus 2023 Attendees