保険料も保険金もビットコインで──生命保険スタートアップが1900万ドル調達

バミューダに拠点を置く生命保険会社Meanwhile Insurance Bitcoinは、ビットコインを中心に発展するエコノミーを見据え、AI(人工知能)を活用したビットコイン(BTC)建て保険を開発するために1900万ドル(約26億6000万円、1ドル140円換算)を調達したと6月6日、発表した。

バミューダ通貨庁(BMA)の認可を受けた同社は、2回のシードラウンドで資金を調達したと述べた。1回目は、ChatGPTを開発したオープンAIのCEOのサム・アルトマン(Sam Altman)と、フィンテック企業Stripeの元幹部ラシー・グルーム(Lachy Groom)が共同で主導。2回目は、Gradient Venturesが主導した。

Meanwhileは以前はStandard Crypto Insuranceと呼ばれており、BMAにはその名称で登録されているとCEOのザック・タウンゼント(Zac Townsend)氏はCoinDeskに語った。

Meanwhileは6日の発表によると、最初の製品の開発チームの雇用に調達した資金を使う予定。顧客としての最初のターゲットは、ビットコイン(BTC)を大量に保有し、税制面で有利な方法で家族を守ろうと考えているアメリカ市民。タウンゼントCEOは、同社は「かなりの初期需要を想定」していると述べた。

「ビットコイン長期保有者が、ビットコイン建ての生命保険に投資し、保有するビットコインの一定割合をアクティブにできるようにすることはきわめて理に適っている」(タウンゼントCEO)

リリースによると、同社はAIを利用して、引き受け、保険金請求、運用を支援する計画。

タウンゼントCEOは、ビットコイン価格に通常伴うボラティリティは、Meanwhileにとって懸念事項ではないと述べた。

「ビットコイン価格に影響を与える市場の動きは、私たちはビットコインで保険料を受け取り、ビットコインで保険金を支払うため、引き受けや保証に影響を与えない。私たちは、今後数十年の間に何億人もの人々がビットコインエコノミーに加わると考えており、そうした人たちのために生命保険会社を設立しようとしている」

同社はビットコインの価格変動から比較的逃れることができるかもしれないが、価格変動は保険金額を左右することになるため、保険契約者はリスクを負うことになる。

「今日の価格、明日の価格などは重要ではない。重要なことは、ビットコインが長期的な将来において価値があるかどうかだ」とタウンゼントCEOは述べた。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin-Denominated Life Insurance Provider Sets Up Shop With $19M Funding