欧州連合(EU)の暗号資産市場規制法(MiCA)が6月9日にEU官報に掲載され、画期的な暗号資産(仮想通貨)ライセンス規則の発効に向けて着実に進んでいる。
関連法とともに発表されたこの法律は、暗号資産ウォレットプロバイダーが資金を送金する際に顧客を特定することを義務付け、取引所やウォレットプロバイダーなどの暗号資産企業に欧州連合全域で活動するためのライセンスを提供し、ステーブルコインの発行者に対して新しいガバナンスと財務要件を導入している。
一方、アメリカでは証券取引委員会(SEC)がバイナンス(Binance)とコインベース(Coinbase)のプラットフォームで取引されるトークンが規制対象の金融商品に該当するとして提訴するなど、暗号資産事業者が大きな不確実性に直面している。
200ページあまりの法律の公表は、EUの法令集にこの法律が正式に掲載されたことを意味する。法的には、2つの法律は20日以内に発効し、その規定は2024年12月30日から適用されるが、一部の規定は若干早く、2024年6月30日に適用される。
法律の概要は昨年6月に政治的に合意されたが、最終文書をEUの多くの公用語に翻訳する必要があったため、正式な合意が遅れていた。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:EU’s Landmark Crypto Law MiCA Published in Official Journal