アメリカの暗号資産取引所はお終いか、バイナンス提訴は大きなミスか【日曜日に読みたい厳選10本】

おそらく最も深刻な容疑は、サム・バンクマン-フリード氏の暗号資産取引所FTXとヘッジファンドのアラメダ・リサーチの間の不正な関係を彷彿とさせる容疑。SECはバイナンスがチャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao)CEOが所有する外部の企業メリット・パーク(Merit Peak Limited)を介して、数十億ドルもの顧客資産を混同したとしている──今週公開したコラムや分析記事、インタビューなどから、日曜日に読みたい10本を厳選。

アメリカの暗号資産取引所はもうお終いか?

米証券取引委員会(SEC)はバイナンス(Binance)とコインベース(Coinbase)という、それぞれ世界とアメリカで最大規模の暗号資産(仮想通貨)取引所を提訴し、取引所業界に対する総攻撃を開始した。

ゲンスラー委員長率いるSECは6月5日、バイナンスを13件の深刻な違反行為の容疑で提訴した。容疑には、バイナンスがグローバル事業とアメリカの事業を十分に分離していなかった疑い、顧客の資産をリスクにさらした疑い、「法律を回避するための計画的な取り組み」を行っていた疑いなどが含まれる。…続きを読む

なぜ、ビットコインはさらに下落しなかったのか?──暗号資産は証券ではなく、コモディティのような値動きに

なぜ、ビットコインはさらに下落しなかったのか?──暗号資産は証券ではなく、コモディティのような値動きに

SECは6月5日にバイナンス(Binance)を翌6日にはコインベース(Coinbase)を提訴した。提訴は2つの取引所に大きな影響を与えており、バイナンスでは純転送量(net transfer volume)が大幅に減少、コインベースは株価が前日終値から20%下落した。

一方、ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)は24時間でそれぞれ5%、4%上昇している。ビットコインの前日5日の5.4%の下落は、2021年以降の1日の下落幅がトップ50にも入っていない。…続きを読む

バイナンス提訴は「大きなミス」か、規制の明確さをもたらすか

米証券取引委員会(SEC)がバイナンス(Binance)を提訴したことは、もし他の国々が暗号資産業界の発展を認め、それが最終的に伝統的な銀行セクターをリプレースするなら、大きな誤算となり得る。ビアンコ・リサーチ(Bianco Research)の創業者兼社長のジム・ビアンコ(Jim Bianco)氏はそう語った。…続きを読む

SECの提訴、暗号資産企業のアメリカ離れを加速

一部の業界専門家は、アメリカに拠点を置く暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)と英領ケイマン諸島に拠点を置くバイナンス(Binance)に対する米証券取引委員会(SEC)の最近の措置は、長期的には規制の明確化をもたらし、アメリカで事業を展開する企業にとってプラスとなりうると述べている。

しかし短・中期的には、こうした企業は他の場所での事業に注力せざるを得なくなる可能性がある。…続きを読む

バイナンス、コインベース提訴を主導──ゲンスラーSEC委員長のスタンス変化を発言から振り返る

米証券取引委員会(SEC)は今週、バイナンスとコインベースに対して大きな法的措置を行った。どちらの取引所も連邦証券取引法に違反していると主張している。

この動きの中心にいるのは、2021年2月にSEC委員長に指名されたゲーリー・ゲンスラー氏。暗号資産(仮想通貨)の存在意義そのものを全面的に否定するような発言をし、業界にとっては最大の敵とさえ思える。…続きを読む

イーサリアムをめぐる5年越しの賭け、結果は?

イーサリアムをめぐる5年越しの賭け、結果は?

2018年、米CoinDeskのカンファレンス「Consensus」で発表されたこの賭けは、期限が2023年5月に設定されていた。

2018年というと、イーサリアムブロックチェーン上でDeFi(分散型金融)プロダクトが爆発的に増加した2020年の「DeFiの夏」よりも前。もちろん、2022年に崩壊した巨大な強気相場の前であり、FTXやテラ、セルシウスなどの破綻よりもずっと前の話だ。…続きを読む

アップルとゴールドマン・サックス、新しい預金サービスの顧客を信じていない

米アップルが4月にゴールドマン・サックスと提携してアメリカで始めた預金サービス「Apple Savings」のユーザーが、預金の引き出しや移動での深刻な遅延を報告している。

多い人では10万ドル(約1400万円、1ドル140円換算)の預金がApple Savingsの口座に閉じ込められ、顧客は自分のお金を取り戻そうと数週間にわたって苦戦を強いられている。…続きを読む

暗号資産のオープンソース精神が成果をあげている──OpenAI、Googleもオープンソースに備える

レジェンド開発者のギャビン・ウッド(Gavin Wood)氏がイーサリアムを去った後に開発したブロックチェーン、ポルカドット(Polkadot)は新しいプライバシー機能を手に入れた。…続きを読む

RWAトークン:より安全な選択肢になるか

ブロックチェーンの最もエキサイティングなユースケースのひとつは、現実資産(Real World Asset:RWA)のトークン化だ。ボストン・コンサルティング・グループのレポートによれば、RWA市場は2030年までに、4兆ドル〜16兆ドル(約560兆円〜2240兆円、1ドル140円換算)に達すると予想されている。…続きを読む

ボラティリティは最低水準、ドル指数は上昇、この先の行方は?

2023年も半分に近づこうとしている今、株式と暗号資産の双方にとって、2023年を特徴づけることは難しい。国内外を問わず、マクロ経済環境についての議論は続いており、アナリストは次の大きな動きについて頭を悩ませている。…続きを読むに

|文・編集:coindesk JAPAN編集部
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