SECの取り締まり、議会による枠組み作りの必要性を強調:JPモルガン

アメリカ証券取引委員会(SEC)がバイナンス(Binance)とコインベース(Coinbase)に対して起こした訴訟は、「暗号資産(仮想通貨)産業の規制方法と、SECと商品先物取引委員会(CFTC)の相対的責任に関する包括的枠組み」をアメリカの議会が打ち出す必要性を強調しているとJPモルガン(JPMorgan)は6月8日の調査報告書で述べた。

SECは、ほとんどの暗号資産を証券として分類すべきと考えており、そうすると、ほとんどの暗号資産企業やその取引はSECの監督下に置かれ、その他の証券に現在適用されている規制の枠組みに準拠することになると報告書は述べている。

これは「単純な訴訟」ではなく、どの暗号資産が証券に分類されるかは不明であると、ニコラス・パニギスツォグロウ(Nikolaos Panigirtzoglou)氏率いるJPモルガンのアナリストは書いている。SEC対リップル(Ripple)の訴訟は、この法的な明確さの欠如を反映したものだ。

規制当局は先週、連邦証券法違反の疑いでバイナンスUSの運営会社であるバイナンス、バイナンスの創設者でCEOのCZことチャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao)を提訴すると発表した。その翌日には、ライバル取引所のコインベースを同様の容疑で提訴している。

これらの動きは「アメリカの議員たちが今年中に包括的な規制の枠組みを打ち出すことをより緊急に求めている」とJPモルガンは述べている。

それが実現するまでは、暗号資産の活動は米国外や分散型エンティティに移動し続けることになり、暗号資産ベンチャーキャピタルの資金調達も引き続き低調に推移する可能性が高いという。

SECのスタンスが議員に承認されれば、コインベース、バイナンスUS、その他の米国の取引所はブローカーとして登録しなければならず、ほとんどの暗号資産は証券として扱われることになると報告書には書かれている。

そして、これは業界にとってより「負担が大きく、コストがかかる」可能性があるものの、暗号資産市場が適切に規制され、より多くの透明性と投資家保護を提供することになるため、いくつかのプラス面をもたらすだろうと付け加えている。

同行によると、先週のSECの行動により、証券とされた多くのレイヤー1トークンについて不確実性が生じており、ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)にとって有利な状況になっているという。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:SEC Crypto Crackdown Adds Urgency for U.S. Lawmakers to Produce Regulatory Framework This Year: JPMorgan