マイナー(マイニング事業者)から中央集権型取引所へのビットコイン(BTC)の送金額は、ブロックチェーン分析企業グラスノード(Glassnode)のデータによると、5月31日以降、増加している。
マイナーは5月31日以降、6671.99BTC(約1億7400万ドル、約244億円)を取引所に送金。6月3日には、2606BTCが送金され、1日としては4年以上ぶりの大きな額となったという。
マイナーの取引所への送金額の14日平均は489.26BTCと増加しており、2021年3月以来の高水準。一方、マイナーのウォレットの残高は2週間で約2000BTC減少している。
マイナーや投資家のウォレットから取引所への送金は、しばしば売却や清算の意図と見なされる。つまり、送金の増加は一般的には弱気と認識される。
だが、5月31日以降の送金額は、ビットコインの1日あたりの取引高約130億ドルに比べるとわずか1.3%に過ぎず、ビットコイン価格に大きな影響を与えるほどではないように思われる。
また、マイナーの送金の増加は、ビットコインの価格見通しに対する自信の表れと考えることもできる。
マイナーの収益はビットコイン価格と密接に関係しており、市場が十分な強さを持ち、供給を吸収できると考えた時にマイナーは売りに出るという考え方だ。これは、経常赤字を抱える国の中央銀行がドルが下落している時に公開市場でドルを買うようなこと。つまり、自国通貨安のリスクを負うことなく、外貨準備高を増やすことができる。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:マイニング機器(Shutterstock)
|原文:Bitcoin Miners Transfer $174M Worth of Coins to Exchanges in Two Weeks