世界最大の資産運用会社ブラックロック(BlackRock)が提供しているETF(上場投資信託)ブランドのiシェアーズ(iShares)が6月15日、米証券取引委員会(SEC)にスポット(現物)のビットコイン(BTC)をベースにしたETF組成に関する書類を提出した。
「iシェアーズ・ビットコイン・トラスト(iShares Bitcoin Trust)」と名付けられたこのファンドの資産は、提出書類によると「トラストの代理としてカストディアンが保有するビットコインで主に構成される」という。カストディアンは暗号資産取引所コインベース(Coinbase)。
SECは、先物ベースのビットコインETFを数多く承認しているものの、グレイスケール(Grayscale)、ヴァンエック(VanEck)、ウィズダムツリー(WisdomTree)など複数の資産運用会社のビットコイン・スポットETFの申請を却下している。
しかし今回は状況が変わるかもしれない。ブラックロックは、10兆ドル(約1400兆円)を超える運用資産残高(AUM)を持つ世界最大の資産運用会社であり、同社とラリー・フィンク(Larry Fink)CEOは、SECとゲーリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長におそらく匹敵する政治力を持っている。
「提案されたETFは、CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)CF Bitcoin Reference Rateをベンチマークとしている」と暗号資産取引所クラーケン(Kraken)はコメント。
「CFベンチマークは、市場の整合性と透明性について可能な限り高い基準を遵守する暗号資産取引所から独占的に価格データを取得する。ベンチマークとなる商品は、原資産のスポット価格を一貫して確実に追跡でき、投資家を保護する」
ビットコインはこのニュースで約1%上昇、2万5700ドル手前まで反発している。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:ブラックロック本社(Shutterstock)
|原文:BlackRock’s iShares Files Paperwork for Spot Bitcoin ETF