世界最大の資産運用会社ブラックロック(BlackRock)がビットコインETF(上場投資信託)を申請してから24時間足らずで、ビットコイン(BTC)は16日に2万6000ドルを超え、1週間ぶりの高値まで上昇した。
CoinDeskのデータによると、当記事執筆時点で2万6369ドル付近、24時間で約5%上昇した。前日15日朝には3カ月ぶりの安値に近い2万5000ドル割れとなっていた。
イーサリアム(ETH)も同様に24時間で約4.5%上昇、1721ドル付近。今週初めには3月中旬以来初めて1700ドルを割っていた。
先週、バイナンスとコインベースに対する米証券取引委員会(SEC)の提訴で「証券」と名指しされたあと大きく下落したものを含む、他の主要暗号資産も大きく反発。ソラナ(SOL)は7%以上上昇。カルダノ(ADA)、ポリゴン(MATIC)、アルゴランド(ALGO)は、それぞれ3.5%、3%、4.1%上昇した。
暗号資産市場全体のパフォーマンスを示すCoinDesk Market Index(CMI)は4.4%上昇したが、ビットコインとイーサリアムのトレンド・インジケーターは、アメリカでの規制強化、インフレ、金融政策に関する懸念に影響されている業界に対する投資家の不安を反映して、依然として下落圏にとどまっている。
16日にノルウェーで行われたカンファレンスで、クリストファー・ウォーラー米連邦準備制度理事会(FRB)理事は、FRBのタカ派姿勢が3月の銀行危機を招いたという批判をかわしつつ、FRBは依然としてインフレに対する懸念を持っていると述べた。今週初め、FRBは暗号資産や他の資産市場に重くのしかかっていた利上げを一時停止した。
「FRBの仕事は、金融政策によって2つの使命を果たすことであり、今はインフレと戦うための利上げを意味する」
「金利リスクに対処することは銀行のリーダーたちの仕事であり、ほぼすべての銀行のリーダーたちがまさにそうしてきた。私は、一部の銀行で運用の効果が上がらないことを懸念して、金融政策のスタンスを変えることを支持しない」
カナダの暗号資産運用会社3iQのリサーチ責任者、マーク・コナーズ(Mark Connors)氏は、ブラックロックのETF申請のタイミングは、SECの法的措置に対抗するという「暗黙の支持」を反映しているかもしれないとCoinDeskに述べた。ブラックロックが申請した「iShares Bitcoin Trust」では、コインベースがカストディアンとして機能することになっている。
「バイナンスとコインベースを連日で提訴することで、SECは2つの取引所を、すべてではないが、多くの容疑に関連しているとして、文字どおりペアとして扱った。ブラックロックの申請タイミングは、コインベースとビットコインETFへの同社のコミットメントを再確認することによって、このペアリングを取り消すためのものと考えることができる」
コナーズ氏はさらにConnorsはさらに「申請によって、カストディ、流動性、価格監視のための明確なプロセスが示されたため、コインベースと業界にとって間違いなくプラス。コインベースの事業見通しと業界での拡大にポジティブな影響を与えた」と付け加えた。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin Recrosses $26.3K to Hit Highest Level in a Week Amid BlackRock Optimism