- ビットコイン・トレンド・インジケーター(BTI)は「大幅な上昇トレンド」にある。
- 来週予定されているマクロ経済イベントやデータは、30日の消費支出のほか、あまり重要視されるものはない。
30日前、ビットコイン(BTC)は2023年初の月間マイナスに向かっていたが、23日、ビットコインは3月以来の最強のパフォーマンスに向かっている。イーサリアム(ETH)も追随しており、今年に入ってから、月間ではまだ一度もマイナスを記録していない。
ビットコインとイーサリアム、方向性と勢いが一致
CoinDesk IndicesのBitcoin Trend Indicator(BTI)は、価格が今週15%上昇したことを受け、ビットコインが大幅な上昇トレンドに入ったことを示している。
過去2週間の強気要因は、極寒の「暗号資産の冬」を温め始めた。そのきっかけは、暗号資産取引所大手のバイナンスとコインベースに対するSEC(米証券取引委員会)の提訴で「証券」と名指しされたリストにビットコインとイーサリアムが含まれなかったこと。
さらに最近では、ブラックロック、インベスコ、ウィズダムツリーによるビットコインETFの申請などだ。FRB(連邦準備制度理事会)のタカ派的な金融政策が景気を減速させているサインとなる新規失業保険申請件数の増加もある。
イーサリアム・トレンド・インジケーター(ETI)も中立から抜け出し、上昇トレンドのシグナルとなっている。
今週、両資産のモメンタム(勢い)は急上昇し、相対力指数(RSI)は19日からそれぞれ43%、46%上昇した。
通貨セクターがCoindesk Market Index(CMI)をリード
暗号資産市場全体のパフォーマンスを示すCoinDesk Market Index(CMI)は今週11%上昇した。CMIの5つのセクターのうち、通貨セクターは20の暗号資産すべてがプラスとなった。
ビットコインキャッシュ(BCH)とオニキスコイン(XCN)がそれぞれ33%、28%上昇し、通貨セクターをけん引した。
DeFiセクターは5.8%上昇したものの、通貨セクターには及ばなかった。
来週の見通しは?
暗号資産市場は勢いを維持できるだろうか? ビットコインは4日連続でボリンジャーバンドの上限を抜け、RSIは75と買われすぎ状態を示している。
現在の価格上昇を警戒しているトレーダーは、これを利益確定の好機と捉える可能性がある。ビットコインが取引所にどの程度移されるか、あるいは移されないかは要注目だ。
過去、ビットコインはRSIの数値が大きくても上昇する傾向がある。取引高は21日がピークで、23日は減少した。モメンタムの推移は、直近の買い圧力が弱まるかどうかの手がかりとなる。
マクロ経済指標では、30日発表の個人消費支出(PCE)を除けば、あまり重要なものはなさそうだ。
インフレ関連では消費者物価指数(CPI)が注目されているが、FOMC(連邦公開市場委員会)議事要旨を見ると、FRB当局者はPCEに頻繁に言及しているようだ。
事前予想では、5月のPCEは0.4%上昇。0.4%を上回れば、最近の物価上昇に歯止めがかかっている可能性がある。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin, Ether on Track for Strongest Weekly Gains Since March