最大のビットコイン(BTC)資産運用商品は、グレイスケール(Grayscale)の190億ドル(約2兆7200億円)規模のBTCトラスト(GBTC)だが、世界最大の資産運用会社ブラックロック(BlackRock)がアメリカでビットコインETFを申請したことで、その支配的地位が脅かされる可能性があると投資会社のバーンスタインが6月26日の調査報告書で述べた。
グレイスケールのこの商品は「非効率で流動性が低く、過去28カ月間大幅なディスカウントで取引されているにもかかわらず」、年に約3億8000万ドル(約544億円)の手数料を得ていると報告書は述べている。
アメリカ証券取引委員会(SEC)は複数のビットコイン先物ETFを承認しているが、多数の申請を受けているにもかかわらず、ビットコインのスポットETFはまだ承認していない。
ゴータム・チュガニ(Gautam Chhugani)氏率いるアナリストは「ブラックロックなどがスポットETFの壁を突破することに成功すれば、リテールプレーヤーと機関投資家の両方にとってビットコインへのエクスポージャーを得るのに最も便利で、コンプライアンスがあり、受け入れられやすい商品を提供することになる」と書いている。
ブラックロックのファンド運用部門のiシェアーズは今月初め、ビットコインのスポットETFの組成をSECに申請した。これを受け、インベスコ(Invesco)やウィズダムツリー(Wisdom Tree)など他の資産運用会社もビットコインETFの新規の申請や再申請を行った。
バーンスタインは、グレイスケールのビットコイントラストはビットコイン時価総額のわずか3%であり、「カストディの悩みを解決するビットコインの入り口として、規制されたETFがシェアを拡大する余地はある」と指摘している。
現在のGBTCの年間手数料は2%で、より伝統的な資産のETFと同じ設定になる可能性があると報告書は付け加えた。それらのETF手数料はかなり安く、0.5%以下であることが多い。
グレイスケールは米CoinDeskの親会社であるデジタル・カレンシー・グループ(Digital Currency Group)が所有している。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:U.S. Has Room for a Compliant Crypto ETF to Grow Market Share as a Bitcoin On-Ramp: Bernstein