「6人の侍(Six Samurai)」と名乗るエンジニアたちが、テラクラシック(Terra Classic)ブロックチェーンのリバイバル計画を提案している。テラクラシックは、不祥事を起こした創設者ド・クオン(Do Kwon)氏の呪縛から逃れようと複数のコミュニティメンバーが努力を続けている。
テラクラシックは、もともとテラフォーム・ラボ(Terraform Labs)が開発したブロックチェーンで、崩壊を期にフォークした「Terra 2.0」ではなく、独立したブロックチェーンとして存在している。ネイティブトークン「テラクラシック(LUNC)」の時価総額は26日時点、約58億ドル(約8120億円、1ドル140円換算)。
6人の侍のリーダーは「ビルボ・バギンズ(Bilbo Baggins)」と「ソリッド・スネーク(Solid Snake)」の2人。6人は週末、テラクラシック・コミュニティに3カ月分の資金として約11万6000ドル(約1620万円)の提供を提案。認められれば、プロジェクトをパートタイムで進めていくとしている。
「LUNCは無限の可能性を秘めており、エコシステムの真のリバイバルを実現するために、我々はスキルを活用してブロックチェーンとすべての投資家に価値を提供し、その実現を支援したいと考えている」と6人の侍は述べた。
さらに「我々はリバイバルの道を行くエコシステムに価値を提供するためにここにいる。また我々は、自身を開発者であり、長年のコミュニティメンバー/投資家として、テラクラシックへの貢献者であると考えている」と続けた。
6人の侍が提案している改善策には、ノード間の同期時間低減のためのネットワーク・アップグレード、金融サービスのテストに向けたテラUSD(Terra USD)のテストネット、トークン保有者への利回り提供のための新しいアプリケーション、ユーザーのアクティビティ創出に対する開発者への報酬などが含まれている。
これらの取り組みは、テラクラシック・エコシステムに価値をもたらし、時間の経過とともにLUNCの価値を高めることを目指している。
6人の侍は、かつて盛況を誇ったエコシステムを救うためにテラクラシックのリバイバルに取り組んでいる数少ないコミュニティメンバーの一部だ。
4月中旬に始まった議論のなかで、コミュニティメンバーの「レッドラインドリフター(RedLineDrifter)」は、テラクラシックのステーブルコイン「テラUSD(UST)」の新しいモデルを提案した。元の設計に存在した問題に対処するためのトークンの買い戻し、一方向スワップ、ステーキング、「アルゴリズムによるペグ逸脱料」などだ。
USTはテラ崩壊の中心となった。暗号資産(仮想通貨)テラ(LUNA)の価格は99.9%下落、テラを基盤としたDeFi(分散型金融)アプリケーションは約280億ドル(約3兆9200億円)を失い、複数の暗号資産ファンドが連鎖的に破綻した。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:増田隆幸
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|原文:Terra Classic Revival Plans Continue as 6 Engineers Aim to Revive LUNC Ecosystem