安価なブロックチェーン・スマートフォンが東南アジアでデビュー、近い将来、アメリカとヨーロッパにも登場する予定だ。
フォビ・グローバル(Huobi Global)は9月3日(現地時間)、ブロックチェーン・スマートフォン「アキュート・アングル(Acute Angle)」を515ドル(約5万5000円)で発売すると発表した。製造は、フォビが投資しているスタートアップ企業、ホール・ネットワーク(Whole Network)が担当する。
また同日、ホール・ネットワークのNODEトークンがフォビのIEOプラットフォーム、フォビ・プライム(Huobi Prime)に追加されると発表された。シリン・ラボ(Sirin Lab)の1000ドル(約10万5000円)のブロックチェーン・スマートフォン「Finney(フィニー)」のような競合製品への対抗策として、同社のデバイスからはフォビ独自のトークン、HTが概ね半額で購入できる。
アンドロイドOSベースのアキュート・アングルは現在、中国で入手可能、2019年第4四半期に東南アジアでの発売が計画されている。アメリカとヨーロッパでの発売日はまだ公表されていない。
将来、ブロックチェーンスマホが増える?
フォビ・グローバルのCEO、リヴィオ・ウェン(Livio Weng)氏はステートメントで、ブロックチェーン・スマートフォンの未来は明るいと述べた。
「我々は、ブロックチェーン・スマートフォンは、これからブロックチェーン産業が発展していく中、有望な分野になると考えている。産業が発展し、5Gのようなイノベーションが通信システムにますます組み込まれるようになるにつれ、仮想通貨コミュニティはより一層、モバイルデバイスを使った取り引きや決済を望むようになると考えている」
アキュート・アングルは、取り引きのプッシュ通知、分散型アプリケーション(Dapp)対応ウォレット、コールドウォレット対応プラグイン、独自のNODEトークンといった仮想通貨に対応した機能を標準搭載している。
フォビによると、アキュート・アングルはホール・ネットワーク初のブロックチェーン・スマートフォンであり、同社は今後、5Gに対応した機種展開を計画している。
ホール・ネットワークは、サムスンやシリン・ラボなどに続いて、ブロックチェーン・スマートフォンの開発競争に参入することになった。2019年8月、サムスンはサムスン・デベロパーズ・キットにビットコイン機能を追加している。
翻訳:石田麻衣子
編集:増田隆幸
写真:Shutterstock
原文:Huobi Launches Low-Cost Blockchain Phone With Built-in Crypto Wallet