- ビットコイン価格は先週の急騰の後、小休止
- 資産運用会社は価格上昇を期待し、ロングポジションを増加
- 小休止のタイミングでは取引高は移動平均線以下
ビットコイン(BTC)価格は6月15日〜23日にかけて21%上昇した後、小休止している。スポット市場での買いの動きは止まったようだが、米商品先物取引委員会(CFTC)が毎週発表するCOTレポート(ポジション情報)からは、デリバティブ市場でロングポジションへの需要が高まっていることが読み取れる。
COTレポートでは、機関投資家のカテゴリー別にビットコイン先物取引の建玉とポジション方向がわかるため、センチメントの代用となる。
機関投資家はロングポジションを増加
最新のCOTレポートによると、資産運用会社は先週ビットコインのロングポジションを495枚増加させている。一方レバレッジファンドは、前週の538枚減少から一転してロングポジションを1449枚増加させた。
資産運用会社のポジションの内訳は、ロングポジションが94.87%。以前のCOTレポートでは99%を占めていたこともある。レバレッジファンドのポジションの内訳は、ロングポジションが19.58%でショートポジションが80.42%。
ロングポジションの増加は、最近の市場動向に対する当然の反応だ。ビットコインETF(上場投資信託)が承認される可能性があることでスポット市場で価格が上昇しており、デリバティブ市場でも同様の流れが起きている。
データ分析会社コイングラス(CoinGlass)によると、オプションの建玉プット/コール比率は0.32。 プット/コール比率が1.0を下回ると、ショートポジションよりもロングポジションの需要が高いことを示す。
売りの動きはみられない
価格が次にどうなるかを示す決定的な兆候ではないが、ビットコインが20%上昇した後に弱気を期待した動きがみられないことは、投資家が最近の上昇相場で売り込むつもりがないことを示している。
ビットコインのチャートは、3日連続で下落している。しかし、下落日の取引高は20日移動平均線を下回っており、下落の勢いが比較的弱かったことを示している。下落の一部は週末の取引高減少の副産物だが、トレンドは週開け27日も継続した。
下値方向で注意すべき水準は、3万ドルと2万7800ドル。3万ドルは、拡大しつつあるサポートラインであり、買い注文と売り注文が集中する可能性が高い心理的に重要な水準を示している。2万7800ドルの水準はビットコインの現在の20日移動平均線と一致しており、移動平均線に収束すると予想するトレーダーにとっては目標となる可能性がある。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:林理南
|画像:CoinDesk Indices
|原文:As Prices Consolidate in Spot Markets, Asset Managers Increase Long Positions in Derivative Markets