フィデリティ、ビットコインETF再申請

資産運用大手のフィデリティ(Fidelity)は29日、ビットコインETF(上場投資信託)「ワイズ・オリジン・ビットコイン・トラスト(Wise Origin Bitcoin Trust)」を再申請した。フィデリティは2021年に申請を行っていたが、SEC(米証券取引委員会)は2022年に却下していた。

およそ2週間前、ブラックロック(BlackRock)がビットコインETF「iシェアーズ・ビットコイン・トラスト(iShares Bitcoin Trust)」を申請。それ以降、インベスコやウィズダムツリーなどがビットコインETFを申請あるいは再申請しており、今週初めにはフィデリティも再申請を準備中と伝えられていた。

ブラックロックと同様、フィデリティの申請にも米ビットコイン取引プラットフォームとの「監視共有協定」が含まれている。市場操作に対するSECの懸念を和らげることが目的だ。

フィデリティはまた、カストディ事業者や中央集権型取引所の破綻が続いたことで、投資家が被った損失を指摘し、ビットコインETFのような投資商品は「数えきれないほどの投資家」を保護しただろうと指摘している。

今のところ、新たなビットコインETF申請、再申請に対してSECはなんの決定も下していない。ブラックロックは過去に575のETFを申請し、1つを除いてすべて承認されている。そのため多くは楽観的に見ているが、一部には懐疑的な見方もある。

暗号資産運用会社コインシェアーズ(CoinShares)のチーフ・プロダクト・オフィサー、タウンゼント・ランシング(Townsend Lansing)氏は26日のポッドキャストで、ブラックロックの申請が承認される可能性は10%、SECはビットコイン取引の大半がアメリカの暗号資産取引所で行われることを望んでいると述べている。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Shutterstock
|原文:Fidelity Refiles for Spot Bitcoin ETF