SEC(米証券取引委員会)は、最近相次いでいるビットコインETF(上場投資信託)申請の提出書類は不十分と語っていたと、30日朝、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は関係者の話を引用して伝えた。
このニュースを受けて、ビットコイン(BTC)価格はわずか数分で約1000ドル、3%以上下落した。当記事執筆時点では、3万460ドル付近)。
記事によると、SECはナスダックとシカゴ・マーカンタイル取引所(CBOE)──ブラックロックやフィデリティなど、複数の資産運用会社の申請に合わせてSECに書類を提出した取引所)に、申請書は明確さが不十分で、包括的でないと通告したという。
問題は「監視共有協定」について、どの取引所を利用するかなどの十分に詳細な情報が提出されていないこととしている。CBOEはWSJとCoinDeskに対して、情報を提出する予定であることを示した。
SECは以前、ビットコインETF申請を却下した際に、ビットコインETFには、かなりの規模の規制を受けたマーケットと監視共有協定を結ぶ必要があるとしていた。
「かなりの規模のマーケット」とは、ETFが扱う商品(この場合は、ビットコイン)の価格の操作を目論む者が、その商品と同じマーケットで取引しなければならないようになるマーケットのこと。つまり、監視共有協定は、市場操作を意図する者を特定する仕組みだ。
SECの広報担当者は「個別の申請の可能性についてはコメントを控えたい」とCoinDeskに述べた。
ブラックロックが6月中旬に行ったビットコインETF申請は、ビットコイン価格を2万6000ドル以下から3万1000ドル超えとなる1年ぶりの高値まで上昇させた。ブラックロックの申請を契機に、インベスコやフィデリティなど、他の資産運用会社もビットコインETFを申請あるいは再申請している。
ブラックロック、フィデリティ、ギャラクシー(インベスコと共同で申請)の広報担当者は、いずれもコメントを控えた。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin Tumbles on Report of SEC Saying Spot BTC ETF Filings Inadequate