オランダの中央銀行は、欧州連合(EU)の新しいアンチマネーロンダリング(AML)指令を引き合いに出し、仮想通貨産業に対してより厳しい姿勢を取ろうとしている。
オランダ銀行(DNB)が2019年9月3日(現地時間)に発表したところによると、2020年1月10日以降、仮想通貨を法定通貨へ交換するサービスや仮想通貨預金サービスを提供する企業および個人は、DNBに自ら登録する必要があるという。
オランダ国外に拠点を置く企業も、オランダ国民にサービスを提供しているのであれば、例えインターネット経由でのサービス提供だとしても、今回の規則の対象となる。
DNBのQ&Aによると、「オランダに設立されているかどうかは関係ない」。また、DNBは次のようにも記している。
「また、他のEU加盟国から、例えばWebサイト経由で当該サービスを提供している場合、その加盟国ですでに登録されているかどうかに関わらず、当行に登録する必要がある」
DNBによると、この規則は同じく2020年1月10日から施行される第5次EUアンチマネーロンダリング対策指令(AMLD5)の遵守を意図しているという。
最初の登録期間は1月10日から6カ月間。事前に登録申請を提出していない企業は、規則の施行後、閉鎖される可能性があるとDNBは述べている。
DNBは「従って、この6カ月間ですでに本法律の要件に準拠している必要がある」としている。「本法が施行された時点で登録申請を提出していない場合、サービスを停止しなくてはならない」
さらに、企業の主要株主や取締役は、DNBの評価に対してAML能力を示すことができなければならない。
発表によると、AMLD5の下、加盟国は2020年1月10日までに、同指令に準拠した仮想通貨規制を発行しなければならず、どの規制を検討・作成すべきかの解釈は、各国の裁量に委ねられている。
DNBは企業のこれまでの取り組みに加え「具体的な役割、性質、規模、複雑さ、リスク特性、そして組織の構成と機能」を考慮するとしている。
今春、オランダ金融犯罪捜査局は、仮想通貨ミキシングサイト「ベストミキサー・ドット・アイオー(Bestmixer.io)」を閉鎖し、ルクセンブルクやオランダに点在していた、複数のサーバーを押収した。
記事掲載までにDNBからの回答は得られなかった。
翻訳:新井朝子
編集:町田優太
写真:Dutch Central Bank via Shutterstock
原文:Crypto Firms Serving Netherlands Must Register With Dutch Central Bank