NFTコレクションAzuki、アニメ制作と作品更新を予定──新コレクション発行時の批判に対応

わずか15分で3800万ドル(約55億1000万円、1ドル145円換算)を集めた人気NFTコレクション「Azuki」の新コレクション「Elementals」で、コミュニティの反発を集める問題が発生。この対応として、Azukiチームにはアニメ制作とElementalsの作品更新の構想があるという。

Elementalsは合計2万枚のうち一部がセール形式で販売されたが、技術的な問題と発行期間の短さが理由でNFTを発行できなかった一部のコレクターから反発が生じた。その直後、AzukiはElementalsの作品を公開したが、所有者からはオリジナルのAzukiコレクションと事実上区別がつかないとの意見が出され、供給量増加による希薄化の噂が流れた。数時間のうちに、オリジナルのAzukiコレクションのフロア価格は44%下落した。

オリジナルのコレクションと区別する計画

匿名のAzuki所有者Arcanic氏は29日にTwitterで、Azukiチームとコミュニティとの間のプライベートな通話で話し合われた内容を詳しく紹介した。Arcanic氏によると、匿名のAzuki共同創設者であるZagabond氏とその他の「コア」チームメンバーがプロジェクトの次のステップについて明確にしたという。

Arcanic氏は、「チームは、オリジナルのAzukiコレクションを見るときに人々が感じるのと同じ感覚を捉えることを望んでいた。『愛されるものをもっと与える』という意図だったが、失敗した」とツイートした。

Azukiチームは、Elementalsコレクションの作品を更新して、オリジナルのコレクションとさらに区別する計画があると述べた。Arcanic氏は、リークされたものとして、Azukiの共同作成者であるアーノルド・ツァン(Arnold Tsang)氏による、さまざまな背景を特徴とする作品を共有した。

アニメ計画が具体的に

Azukiは以前、そのキャラクター世界を特徴とするアニメシリーズに取り組んでいることをほのめかしていた。Arcanic氏によると、Azukiチームはコミュニティとの電話の中で計画にさらに踏み込み、Web3テクノロジーを組み込んだ短編アニメーションとして自己資金で制作されると明らかにした。最近Azuki所有者にエアドロップされたGreen Beanもシリーズに登場するという。

Zagabond氏は電話の中で、「アニメを見て、その後、TwitterやWebアプリを通じてアニメ内のNPCと対話できることを想像してほしい。NPCは対話できるトークンを発行できる」と述べた。

Arcanic氏は、Azukiは長期保有者やレアな特性のトークンを所有する人に「コレクターステータス」を示すなど、保有者に特典を与えるほかの方法にも取り組んでいると述べた。

プロジェクトには楽観的な見方も

Arcanic氏はCoinDeskに対し、Elementalsの発行と作品の公開には不満を感じているが、Azukiの将来とプロジェクトがどのように失敗から学ぶかについては楽観的だと語った。

Arcanic氏は、「チームは非常に有能で情熱的であることが証明された」と指摘。「彼らが今後もコアコミュニティと連携し続ける限り、より幅広いコミュニティの信頼を取り戻し始めることができると信じている」と述べた。

大手NFTマーケットプレイスのOpenSeaによると、本記事執筆時点でElementalsのフロア価格は1.29ETH(約36万円)、取引高は約1万1930ETH(約33億3500万円)。Azukiのフロア価格は8.19ETH(約229万円)で推移しており、取引高は59万6900ETH(約1595億円)を超えている。

|翻訳:CoinDeskJAPAN
|編集:林理南
|画像:OpenSea
|原文:Azuki Teases Anime Series, New Artwork After Missing the Mark on Elementals Mint